研究課題/領域番号 |
21K18894
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分29:応用物理物性およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
須田 理行 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80585159)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | キラリティ / スピン三重項超伝導 / 遷移金属ダイカルコゲナイド / インターカレーション / イオン液体 / 超伝導 / 非相反超伝導 / インタカレーション / CISS効果 / ナノ粒子 / キラル分子 |
研究開始時の研究の概要 |
スピン三重項超伝導体の実現を志向した空間反転対称性の破れた超伝導体の探索が盛んに 行われているが、その条件の難しさから設計・合成指針は未だ確立されていない。本研究では、キラル分子によって修飾されたs波超伝導体であるPbナノ粒子を超格子化することで空間反転対称性の破れた超伝導体の新たな化学的設計指針を提示すると同時に、s波超伝導体/キラル分子界面における近接効果をバルク物性として顕在化させ、バルクのスピン三重項超伝導体を創出することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、ファンデルワールス層状物質へのキラルイオン液体の電気化学的インタカレーションという新奇な手法によって、キラルな結晶構造を有する超伝導体の創製に成功するとともに、分子キラリティに由来する非相反超伝導特性を観測した。非相反超伝導の発現機構にはスピン一重項超伝導とスピン三重項の混成状態が関わっているとの理論的指摘も存在しており、分子キラリティの導入が超伝導状態におけるスピン偏極効果をもたらしている可能性が考えらえられる。また、本手法は、任意の電子物性を有するファンデルワールス層状物質への展開が可能であり、空間反転対称性の破れた凝縮系物質創製の“普遍的手法”となることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スピン三重項超伝導体の実現を志向した空間反転対称性の破れた超伝導体の探索が盛んに行われている。しかしながら、その合成条件の難しさから、これまでに発見されたスピン三重項超伝導体の数はその真偽に議論のあるものも含め、僅か数例に限られており、その設計・合成指針も未だ確立されていない。本研究では、ファンデルワールス層状物質へのキラルイオン液体の電気化学的インタカレーションという新奇な手法によって、キラルな超伝導体を創製する手法を提案した。本手法は、様々なファンデルワールス層状物質への展開が可能であり、キラルな超伝導体創製の“普遍的手法”となることが期待される。
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