研究課題/領域番号 |
21K18903
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分30:応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 健 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30507091)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 量子コンピューター / 量子ダイナミクス / 時間依存結合クラスター法 / 量子コンピュータ / 電子ダイナミクス / 時間依存ユニタリ結合クラスター |
研究開始時の研究の概要 |
時間に依存しない量子化学がNISQ量子コンピュータのキラーアプリケーションであるという認識は広く共有されているが、量子コンピュー タの時間依存量子系への適用は簡単なモデル系に留まっている。これに対し本研究は、量子コンピュータ実機を用いて、現実世界の現象である高次高調波発生のシミュレーションを行う。具体的には、申請者が開発してきた時間依存多電子理論に量子コンピュータ上の波動関数表現として有望視されているユニタリ結合クラスター法を組み込み、多体量子情報を量子コンピュータで、一体量子情報を古典コンピュータで計算するハイブリッドアルゴリズムを開発する。
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研究成果の概要 |
光と物質の相互作用で最初に光を吸収するのは電子であり、その後、電子から原子核へのエネルギー移動によってさまざまな光反応が起こる。 2018年ノーベル物理学賞受賞のレーザー技術に基づくアト秒科学は、この電子ダイナミクスの直接観察と直接制御を目指す。その実現には高強度レーザー場中の多電子ダイナミクスの信頼できる計算方法が必要だが、量子多体系特有の組み合わせ爆発の問題が伴う。 本研究では、高強度レーザー場中の多電子ダイナミクスのための量子/古典ハイブリ ッドアルゴリズムである時間依存ユニタリー結合クラスター法の開発に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では多体量子情報は量子コンピュータで、一体量子情報は古典コンピュータで扱う時間依存量子・古典ハイブリッド計算を実現した。これはNISQ量子コンピュータを現実的かつトリビアルでない問題に適用するための鍵となる。長期的展望として、本研究成果によってアト秒科学の最終目標である電子運動の直接観測・直接制御が達成されれば、例えば、円偏光高次高調波スペクトロスコピーによるキラル分子の識別等が期待でき、生命科学、化学産業、製薬産業にまで革新的なインパクトを与えると予想される。
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