研究課題/領域番号 |
21K18912
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分30:応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
田邉 孝純 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (40393805)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 光エレクトロニクス / フォトニック結晶 / ナノフォトニクス / 量子エレクトロニクス / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
フォトニック結晶チャープ導波路(PhC)を制作すると,必ず作製誤差が素子には内在する.その作成誤差の影響で,光のアンダーソン局在とも言われる光の局在が生じる.この光の局在パタン波長依存性があるので,入力波長を変化させると,局在パタンが変化する.作製した素子に対して,機械学習を用いて予めこのパタンを学習しておけば(素子の校正作業に対応),未知のスペクトルを有する光を入力した時に,機械学習を用いて入力スペクトルを再構成し,超小型なスペアナとして動作させることが出来る.この手法の利点は,波長分解能が作製誤差に制限を受けない点である.
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研究成果の概要 |
チャープフォトニック結晶導波路を用いた分光器を実現した.通常ナノフォトニクス素子は作成精度による限界がある.特に作成誤差の影響は大きいが,本研究では作成ゆらぎの結果得られる光の局在パタンを波長同定にもちいることで,作成精度を超えた波長分解能を実現した.各波長での局在パタンを予め測定しておき,2次元マップ化する.未知の波長入力のパタンに,その2次元行列の逆行列を積算することで,スペクトルを再構築する.スペクトル分解能0.8 nm以下を得ることに成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フォトニック結晶(PhC)やプラズモニクス,メタマテリアル,集積光回路を始めとするナノフォトニクス研究は,光科学の一大分野を形成しているが,その性能は作成誤差によって制限をうける.従来は作成誤差との戦いであったが,本研究はその戦略を180度転換するものであり,作成誤差をソフトウェアの力も借りながら積極的に活用しようとするものである.本手法は全く新しいものである,ナノフォトニクス分野の発展に大きな変革をもたらすことが期待される.
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