研究課題/領域番号 |
21K18913
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分30:応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
毛利 真一郎 立命館大学, 理工学部, 准教授 (60516037)
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研究分担者 |
荒木 努 立命館大学, 理工学部, 教授 (20312126)
藤井 高志 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 教授 (60571685)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | モアレ超格子 / ファンデルワールスエピタキシー / リモートエピタキシー / 窒化物半導体 / グラフェン / 酸化物半導体 / 原子層材料 / 結晶成長 |
研究開始時の研究の概要 |
ダングリングボンドを持たないグラフェン上の結晶成長(ファンデルワールスエピタキシー)では、従来の半導体エピタキシャル成長と異なり、格子整合の制約を受けにくい特徴があるが、逆に、核生成の制御や面内方向の拡散を制御することが難しいという問題点がある。 本研究では、グラフェンを2枚重ねた際に生じる『モアレ超格子』と呼ばれる長周期のポテンシャル変調構造を駆動力とすることで上記困難を克服することを目指す。グラフェン同士や基板とグラフェンとの積層角度を変えることで、モアレ超格子の周期やポテンシャル高さを制御し、吸着(核生成)や原子マイグレーションなどの結晶成長因子にどう影響するかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、『モアレ超格子』と呼ばれる長周期のポテンシャル変調構造を駆動力とすることでファンデルワールスエピタキシーにおける結晶品質の改善を目指した。本研究により、ツイスト2層グラフェン上での窒化物半導体結晶成長において、積層角度により、核生成密度や成長結晶の大きさに違いがあることがわかってきた。また、金属蒸着の実験でも、積層後のフォノン物性の変化に積層角度による違いがみられることから、蒸着のメカニズムが積層角度によって違うことが示唆される結果が得られている。また、高品質グラフェンを用いたリモートヘテロエピタキシーにより剥離可能なGa2O3やInGaNを合成することにも成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
情報化社会のさらなる進展に伴い、半導体回路の立体周期が求められている。その中で、電力変換や高速データ処理に必要な化合物半導体を自在に剥離、転写する技術の確立は大きな意義を持つ。本研究で進めるグラフェンの上のファンデルワールスエピタキシーはその中核技術として期待されている。本研究で、積層角度の自由度が結晶成長に与える可能性を示すことができた点は、ファンデルワールスエピタキシーにおける困難である配向制御につながる点で大きな意味があると考える。また、リモートエピタキシーにより剥離できる酸化物半導体や窒化物半導体の合成に成功した点も、今後のデバイス応用の可能性を広げる成果である。
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