研究課題/領域番号 |
21K18922
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分31:原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
沖部 奈緒子 九州大学, 工学研究院, 教授 (30604821)
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研究分担者 |
杉山 武晴 九州大学, シンクロトロン光利用研究センター, 准教授 (80391994)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 金属汚染水 / マンガン / ヒ素 / バクテリア / バイオプロセス / バーネサイト / マンガンスラッジ廃棄物 / 鉄スラッジ廃棄物 / 酸性鉱山廃水 / マンガン酸化菌 |
研究開始時の研究の概要 |
鉱害には閉山後も「酸性坑廃水」発生が続く特殊性がある。マンガンは不動化困難で最終段階まで溶存し続ける問題金属で、また、ヒ素含有硫化鉱の資源化が拡大化する今, 猛毒ヒ素を含有する廃水問題は悪化の一途にある。ここではヒ素とマンガンに注目し,「金属含有水処理を“負の事業”から“正の二次資源化技術”へ転換できないか?」を問う。耐酸性Mn酸化菌の活用と, 放射光X線散乱法によるナノバブル特性化で得た知見に基づき, 熱力学的に困難なMn酸化反応を高密度充填細胞で高速駆動し,バイオミネラルとして汚染廃水から二次資源化するだけでなく, 金属ロスの無い自己再生型酸化剤としてAs酸化処理に二次利用する。
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研究成果の概要 |
本研究で対象とした金属汚染源であるMn2+とAs(III)はそれぞれ不動化が困難で毒性が高い。熱力学的に困難なMn酸化反応を自己増殖可能な細菌の常温/中性下の生体触媒反応にて効率的に促進し、付加価値のあるバイオミネラル(Biogenit Birnessite)として回収した。さらにそのバイオミネラルを自己再生型酸化剤としてAs酸化処理に利用することで、Mnのロスをせずして連続的にAs酸化処理を叶えることに成功した。このようなバイオプロセスは、水処理場で得られるようなMnスラッジやFeスラッジ廃棄物で駆動する事ができ、新たな水処理代替法として注目できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、日本に実在する水処理設備より入手した、MnスラッジやFeスラッジを利用し、新たなバイオプロセスを開発した。Mnスラッジは生物活性をもつものであり、細胞担持方法や通気方法を適切な条件に設定することでMnの自己触媒的酸化除去のみならず、他種の金属種、ここではAsの酸化処理に連続利用することができた。これは、反応条件を最適化することにより、Mnスラッジ中のMnロスの無い連続的なAs酸化処理反応を叶えるものであり、学術的にも新しい。またMnスラッジとFeスラッジを効果的に組み合わせることでAsの酸化・吸着除去も可能となり、廃棄物を利用する新たな水処理技術を開発したことは社会的意義が大きい。
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