研究課題/領域番号 |
21K18923
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分31:原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
三木 一 九州大学, 工学研究院, 准教授 (10706386)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 超微量粉末電極 / 硫化鉱物反応挙動 / 湿式製錬 / 浮遊選鉱 / 酸化還元反応 / 電位走査 / ストリッピングボルタンメトリ / インピーダンス測定 / 超微量粉末電気化学 / 硫化鉱物 / 浸出挙動 / 浮遊選別 / 電気化学 / 酸化還元剤 / 銅鉱物 / 含ヒ素銅鉱物 / 超微粉末電気化学 / 浸出機構 / 定量分析 / 湿式精錬 |
研究開始時の研究の概要 |
溶液内の状態を把握するため、電気化学的手法が広く用いられているが、湿式精錬で一般的な懸濁系、粉末試料への適用は難しい。本研究では、応募者の開発した超微量粉末電極の改良などにより、微小粉末試料の浸出・反応の定量に加え、粉末同士の接触時の挙動を解析する。応募者の確立した手法は、簡便に超微量の微粒子電極を作成でき、感度も従来法と比較して歴然としている。これらミクロスケールでの微粒子の挙動を組み合わせることにより、マクロスケールとなる反応槽内の懸濁液溶液での浸出挙動を予測する。応募者の作成する、溶存酸素やpH、電位を常に最適な状態に制御できる電解槽の開発により、次世代型湿式精錬プロセス開発に貢献する。
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研究成果の概要 |
超微量の粉末電極の作成法において、定量的な再現性のある手法を確立し改善することができた。これらの方法により、これまで困難とされてきた銅-ヒ素鉱物の分離について、酸化還元剤を利用した浮遊選鉱法について評価できた。また、銅-ヒ素鉱物の分離については、加熱後に磁力選別を利用する方法についても検討し、加熱前後の鉱物変化を評価できた。また、湿式製錬において難処理鉱物として知られる銅、ヒ素硫化鉱物の進出促進について検討し、銅イオン存在下でより浸出されやすい輝銅鉱が生成することで浸出速度が大きく促進されることを、複数の鉱物で明らかにした。これらの成果は、報告されていなかった知見である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究においては、これまで難しいとされてきた超微量粉末電極の定量的な手法を確立し、広く応用が可能となった。応用の範囲としては、浮遊選別における鉱物表面反応、表面の微量な変化が評価できた。また、硫化鉱物の加熱により鉄を含む鉱物が磁鉄鉱などに変化する様子や、微量の鉱物量変化について評価できた。また、難処理鉱として知られてきた黄銅鉱が、銅イオン存在下で浸出されやすい輝銅鉱に変化することについて、本法の応用により、検証できた。また、黄銅鉱以外の、斑銅鉱、硫ヒ銅鉱、ヒ四面銅鉱についても同様の現象がみられることを確認できた。これらのように、本法の有効性は明らかであり、より広く応用できる可能性を示した。
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