研究課題/領域番号 |
21K18933
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分32:物理化学、機能物性化学およびその関連分野
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
水上 渉 大阪大学, 量子情報・量子生命研究センター, 准教授 (10732969)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
|
キーワード | 量子インスパイアードアルゴリズム / クリフォード回路 / スタビライザー / 相対論的量子化学 / Fermionic Shadows / スタビライザー状態 / Clifford回路 / CAFQA / 機械学習波動関数 / フェルミオン影像法 / 制限ボルツマンマシン / 量子インスパイアード / 変分モンテカルロ / 量子インスパイアド / ニューラルネット / 第一原理計算 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では近年発展の著しい量子アルゴリズムを応用した古典アルゴリズムを用ることで、重原子を含む系にあらわれうる複雑な量子状態のコンパクトな記述を可能とする方法論の確立を目指す。
|
研究成果の概要 |
量子情報科学の知見を活用した「量子インスパイアード」アルゴリズムにより、相対論的量子化学のための電子状態理論の開発を行った。ニューラルネットワーク量子状態とスタビライザー状態の利用という2つのアプローチを軸に研究を進め、制限ボルツマンマシンを用いたニューラルネット波動関数の実装と、クリフォード回路を用いた量子化学計算の実装の2つに取り組んだ。また、派生研究としてフェルミオン影像法によるMRCI計算やTIC技術の開発などの新たな理論的アプローチを提案した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は、量子情報科学の知見を活用した新たな理論的アプローチを相対論的量子化学計算に持ち込むことを提案した点にある。ニューラルネットワーク量子状態やスタビライザー状態を用いた手法は、電子配置が複雑な系に有効であると考えられ、重元素を含む分子の複雑な電子状態計算を切り開く可能性を持っている。フェルミオン影像法を用いたMRCIやTIC技術などの派生研究は、いずれも基礎的な研究であるが、前者は量子計算における測定の問題を考える好事例であり、後者は実用的な相対論的量子化学計算につながるものとなっている。一連の成果は、将来的に重元素を含む材料の精密なシミュレーションに貢献するものと期待される。
|