研究課題/領域番号 |
21K18939
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分32:物理化学、機能物性化学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
中嶋 敦 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (30217715)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | ナノクラスター電極触媒 / 金属間化合物 / 有機分子基板 / 担体表面 / ナノクラスター / 電極触媒 / 構造活性相関 |
研究開始時の研究の概要 |
既報の溶液還元法や原子共蒸着法での触媒作成の不均一性を解決するため、高出力インパルスマグネトロンスパッタリングによる高強度ナノクラスター生成法を用いて、金属間化合物の合金ナノクラスターを対象に、構成原子数と組成を精密に分離して担体表面上に担持して触媒を創成する方法を構築する。担体表面に予め有機分子蒸着を施し、分子間相互作用の局所性によって触媒の表面拡散の抑制と適切な有機分子の選択による電極触媒の活性化を実現する。この電極触媒を用いて、二酸化炭素還元反応などにおける電極触媒の活性を、X線光電子分光法による構造と電子物性と併せて評価し、ナノクラスター触媒の活性と構造、電子物性の相関を解明する。
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研究成果の概要 |
気相合成したパラジウムや白金ナノクラスター、ならびに、白金とテルビウムの合金のナノクラスターを精密に原子数、組成を単一化して有機基板に蒸着し、酸素などの気体分子との反応性をX線光電子分光などによって評価した。有機分子の種類を電子供与性や電子受容性に変えることで、担持基板の電荷特性を変化させたところ、金属ナノクラスターの酸素気体との反応性が担持基板によって制御できることがわかった。この成果は、金属ナノクラスターの触媒活性に対する基板効果を、有機分子修飾によって均一化する意義として示したもので、構成金属原子数と組成が精密に制御された金属ナノクラスター担持触媒の新しい分子科学を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
表面に予め有機分子蒸着を施すことで担体表面上での均一性を向上させ、分子間相互作用によって触媒の表面拡散の抑制と適切な有機分子による電荷制御で、元素の複合化による合金化と併せて、ナノクラスター触媒の活性化を実現した。この研究は表面担持された合金ナノクラスターに対して基板の担持効果の位置づけを解明し、パラジムや白金、および、その合金ナノクラスターの触媒作用機構を分子論に基づいて理解することに基礎を与えるものである。この成果によって、表面担持ナノクラスターの触媒活性を制御する方策の1つが得られたもので、パラジウムや白金などの希少元素に対して、少ない原子数のナノクラスター触媒が活用される道を拓いた。
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