研究課題/領域番号 |
21K18941
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分32:物理化学、機能物性化学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
坂牛 健 国立研究開発法人物質・材料研究機構, エネルギー・環境材料研究拠点, 主幹研究員 (50756484)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | 電極過程 / トンネル効果 / 同位体効果 / 赤外分光法 / 量子効果 / 非断熱効果 / 固液界面 / 速度論的同位体効果 / 量子超越性 / 電極触媒 / エネルギー変換 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、トンネル効果や非断熱効果といった量子的作用によって高効率な電極過程が創発される性質を “量子超越性(Quantum Supremacy; QS)”として捉え、QSの創発原理を解明することが目的である。元来QSとは量子計算の分野において、量子力学的原理に基づく演算が古典的演算に対して一般に超越しているという仮説である。この考えを基に本研究では、電極過程におけるQSを以下のように定義し、既に応募者によってQSが示された系を出発点に(Phys. Rev. Lett. 2018)、QSが創発される系を開拓しその機構を明らかにすることで、この量子過程がどの程度一般性を持つのかを解明する。
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研究成果の概要 |
本研究の主要な成果として、単結晶電極表面ギャラリーを拡張することで様々な固液界面系を作製することに成功し、その結果として当該研究の最終目標であるQSを示している系を発見したことが挙げられる。もう一点としては、その場赤外分光装置の構築に成功したことで、反応場における電位依存の動的過程を詳細に分析できることに成功したことである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果における最も重要な意義は、エネルギー変換反応の根幹である電子とプロトンの移動による電極過程の基本原理を一歩深く理解できるようになったことである。本研究によって、“なぜ生体はこの世界で最も効率的なエネルギー変換機構を貴金属なしで実現しているのか?”や“なぜ白金は様々なエネルギー変換反応において高活性なのか?”といった重要かつ未解明の問題を理解するための普遍的知見を獲得するためのツールが一つ増えたと期待できる。
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