研究課題/領域番号 |
21K18942
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分32:物理化学、機能物性化学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
孫 洪涛 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 主幹研究員 (30571822)
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研究分担者 |
山崎 智彦 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 主幹研究員 (50419264)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | ナノ粒子 / 深紫外残光 / 長残光蛍光ナノ粒子 / 深紫外長残光 |
研究開始時の研究の概要 |
本提案の鍵は、我々が世界で初めて合成に成功したUVC長残光蛍光粒子の医療応用にある。当該粒子はX線励起下でそのフォトンエネルギーを貯蔵した。そのエネルギーをUVC光に変換して励起停止後も数時間にわたって放射する特性を有する。それゆえ、がんなどの悪性腫瘍に当該粒子を摂取させれば、短時間のX線照射にも関わらず、長時間のUVC光照射により腫瘍細胞を死滅させることができると構想する。本研究では、UVC長残光放射特性をもつナノ粒子の合成、がん細胞を識別し特異吸着する表面リガンド開発、in-vitro及びin-vivo条件下でのUVC照射によるがん治療効果の検証まで研究を進める。
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研究成果の概要 |
深紫外残光を示す Pr3+:Cs2NaYF6ダブルペロブスカイトナノ粒子の合成に成功した。合成にはホットインジェクションアプローチを採用し、ナノ粒子のサイズ分布と光物理的特性に影響を与える合成パラメーターを検討した。 特に、光学特性を支配するパラメーターについては詳細に調べた。 さらに、これらのナノ粒子の構造と構造形態の関係も検討した。このスペクトル範囲においては有機物も強く光吸するため、表面配位子は深紫外残光に大きな影響を及ぼすと考えた。表面配位子を除去したところ、深紫外残光の強度が大幅に向上し、医療用途に有益であることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
可視-近赤外波長域では、既に超残光蛍光体が報告されているが、深紫外波長域において超残光特性を示すナノ蛍光体は、現時点で世に存在しない。本研究成果は、深紫外超残光ナノ蛍光体がソフトケミストリーアプローチによって合成できることを実証した点で学術的意義が高く、医療応用への道が拓かれたと考える。今後研究を深化させ開発する「深紫外光放射ナノ粒子を活用した深紫外エミッション増強放射線療法」は、現行の放射線療法に革命を起こす可能性を秘めている点で社会的意義が高い。
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