研究課題/領域番号 |
21K18945
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
美多 剛 北海道大学, 化学反応創成研究拠点, 特任准教授 (00548183)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | AFIR法 / 量子化学計算 / ラジカル / アミノ酸 / 逆合成 / 反応経路ネットワーク / 光電子移動触媒 / 光反応 / 電解反応 / ラジカル反応 / 計算科学 / 人工力誘起反応法 / 反応予測 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの有機合成化学に立脚した新反応開発は、有機合成化学者の経験や合成的なセンスが必要であることに加え、年単位に及ぶ膨大な実験が必要である。この開発プロセスを合理的に進めるため計算科学が積極的に活用され始めている。申請者は量子化学計算の一種である人工力誘起反応法(AFIR法)を用いることで、過去に報告例がなく人知の及びにくいラジカル反応の経路をコンピュータに提案させ、その提案された経路を合成化学実験で具現化する。
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研究成果の概要 |
北海道大学化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の基幹技術であるAFIR法を用いて新しい有機ラジカル反応の開発に成功した。ラジカル種は反応性が高く、その挙動を予測することは一般的には困難であるが、AFIR法を用いることで迅速、かつ正確に求めることが可能である。本研究では、エチレンやCO2などの小分子に対する官能基化反応を予測し、実験的に具現化することに成功した。具体的には、イミドイルおよびスルホニルラジカルに対するエチレンの二分子導入反応や、(非)対称DPPE誘導体の合成、CO2のラジカルアニオンが安定なヘテロ芳香環に付加する反応を開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、反応経路自動探索法(AFIR法)用いて、新しい有機ラジカル反応の開発に成功したことにより、有機合成化学の発展に大きく貢献する。ラジカル種は反応性が非常に高く、予測が難しいことから、これまで理論ベースでの新反応の開発が困難であったが、本研究により、計算化学でラジカル種の挙動を予測しながら新反応を開発する手法が確立された。具体的には、エチレンやCO2などの小分子に対する官能基化反応の開発に成功し、新しい反応開発の手法として注目を集めた。本研究成果は、有機化学分野の発展に貢献すると同時に、新しい医農薬品や機能性材料の化学合成にも役立つものである。
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