研究課題/領域番号 |
21K18954
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
坂本 健吉 静岡大学, 理学部, 教授 (50187035)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | シラフェナレン / ヘテロフェナレン / 奇交互炭化水素 / NICS / 反芳香族性 / 多環芳香族炭化水素 / 14族元素 / 常磁性環電流 / ヘキサヒドロシラフェナレン / 芳香族性 / NICS計算 / ホスファフェナレン / スタンナフェナレン / 有機ケイ素化合物 / π電子系化合物 / フェナレン / フェナレニル |
研究開始時の研究の概要 |
有機化合物中の炭素をケイ素に置き換えると新規な物性が発現する。縮合三環式有機化合物であるフェナレンやフェナレニルの中心にケイ素を導入したシラフェナレン1やシラフェナレニル3は単純な構造の化合物であるが、量子化学計算によれば前者は不安定な12π電子系反芳香族化合物になり、後者は逆に安定な14π電子系芳香族化合物になると予想されており興味深い。そこでこれらの合成を行い、その物性や反応性を検討する。
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研究成果の概要 |
先に我々は分子の中心にケイ素を有するヘキサヒドロシラフェナレンの合成法を確立している。そのフェニル置換体を原料とし、二酸化セレン酸化、酸触媒脱水、DDQ酸化により反芳香族性を持つ標題化合物、フェニルシラフェナレンの合成を達成した。この化合物はNMRにおいて反芳香族性による顕著な特徴を示した。 また、ヘキサヒドロシラフェナレンの合成法をゲルマニウム、スズ、リンに応用し、対応するヘキサヒドロヘテロフェナレン類の合成にも成功した。 中心に各種のヘテロ原子をもつ中性のヘテロフェナレンやヘテロフェナレニル類のNICS計算を行い、中心原子の電気陰性度と芳香族性の間に高い相関関係を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
炭素原子による六員環構造が連なった多環芳香族炭化水素、さらにはグラフェンやカーボンナノチューブはユニークな電気的特性あるいは光学的特性などを示すことから新規な材料物質として盛んに研究されている。これらの化合物群の炭素原子の一部をケイ素のようなヘテロ原子に置き換えることが出来れば、その展望はさらに広がるであろう。本研究では、これまで全く類例のなかったシラフェナレン骨格の構築に初めて成功した。様々なヘテロ原子の導入にも成功しており、従来の多環芳香族炭化水素などの化学の進展に寄与したと考えている。
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