研究課題/領域番号 |
21K18960
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
武田 洋平 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (60608785)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 室温リン光 / 汎用元素 / 電荷移動 / 電子ドナー・アクセプター / 有機EL / ケイ素 / 発光 / 有機材料 / 熱活性化 |
研究開始時の研究の概要 |
現在利活用されている常温リン光材料は、将来枯渇が懸念される希少金属元素を含むため、汎用元素のみから構成され、かつ高効率な室温リン光を示す有機材料の創出が望まれている。本研究では希少金属や重元素の導入、または結晶中での分子間相互作用に頼る既存の常温リン光有機分子の設計指針とは一線を画する、「熱活性型」室温リン光を活用する分子設計戦略に基づき、汎用元素だけで構成される常温リン光有機分子を創出し、有機EL素子へ応用することを目的とする。
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研究成果の概要 |
常温でリン光を示す物質は、電流励起により生じる励起子を最大100%の内部変換効率で光エネルギーへと変換できることから、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子の発光材料として利活用されている。しかし、汎用元素のみから構成され、室温リン光を示す材料は発展途上である。本研究では研究代表者が独自に開発した分子プラットフォームである電子ドナー・アクセプター・ドナー骨格を活用して、汎用元素だけから構成され、熱活性化型の機構を経る新奇な室温リン光材料の創製に成功し、高効率有機EL素子の発光材料としても機能することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
RTPの発現には、トレードオフの関係にある効率的なスピン反転、熱失活の抑制を同時に達成する必要がある。今回採用した分子設計は、熱活性化により生成する高次励起三重項状態を活用することで、D-A間の揺らぎは保持したまま室温リン光を実現した。すなわち、凝集状態における分子間相互作用を活用する既存のアプローチとは一線を画している特徴的な研究である。また、希少金属の材料供給の懸念を払拭できることから、産業的にも波及効果の高い研究である。
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