研究課題/領域番号 |
21K18961
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
久木 一朗 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (90419466)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 水素結合 / 多孔質結晶 / 単結晶 / ジベンゾクリセン / ヘキサアザトリフェニレン / 有機結晶 / 多孔質材料 |
研究開始時の研究の概要 |
構造と物性を自由にデザインできる有機分子の特徴を生かして、有機分子を基盤とした安定な多孔質単結晶を調整し、一連の「単結晶触媒」を構築する。さらにその単結晶を、あたかもプリンターのインクカートリッジのように微少流路系に装填・交換できる「単結晶触媒カートリッジ」として展開するための要素技術開発および概念実証を目的とする。
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研究実績の概要 |
分子単結晶は、分子が最も規則的に配列した分子集合体であり、分子の規則的配列と異方的集合構造に由来した優れた物性の発現が期待できる。本研究では、多様な有機構成分子から1次元チャネル状空孔を有する堅牢な多孔性単結晶を構築し、次いで触媒活性部位を導入することにより「単結晶触媒」へと展開することを目標としている。本年度は、ヘキサアザトリフェニレン以外のπ共役系分を用いて、一連の同型多孔質結晶を得ること検討した。具体的には、非平面π共役分子ジベンゾクリセンが結晶中で「かみ合い積層」によって1次元状の強固な積層構造を与えることに着目し、ジベンゾクリセン骨格に置換位置の異なるカルボキシナフチル基を導入した分子群を用いて結晶化を行った。その結果、いずれの分子からも分子が「かみ合い積層」と分子間水素結合によって高度にネットワーク化した多孔質同型結晶を得ることに成功した。興味深いことに、これらの結晶は同型ネットワーク構造をもつにもかかわらず、空間活性化の際にはそれぞれ異なる挙動を示すことが分かった。1,5-置換体の結晶は、空間活性化の前後でフレームワークは変化せず、ガス吸着実験から見積もった比表面積は1gあたり1300平方メートルであった。2,6-置換体は、活性化によってそのフレームワークは崩壊した。1,4-置換体はこれら2種類の結晶の中間の性質を示した。すなわち、溶媒分子の脱離と挿入の過程において可逆的にフレームワークが伸縮する柔軟な多孔質結晶であることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに、ジベンゾクリセン誘導体を用いて開口部がひし形の1次元チャネル空間を有する一連の多孔質単結晶の作成を行ってきた。大きな比表面積を示す多孔質結晶も得られつつある。さらに、これらの同型結晶がスペーサー部位の構造に依存した挙動を示すことも新たに明らかになった。これらの結果より、本研究は現在のところおおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、チャネル空間を有する一連の多孔質単結晶の、チャネル空間を利用した機能創出について鋭意検討を行う。
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