研究課題/領域番号 |
21K18962
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
劔 隼人 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (60432514)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | 光触媒 / カルボン酸 / 脱炭酸 / 金属クラスター / セリウム / MOF / クラスター錯体 |
研究開始時の研究の概要 |
物質変換における難易度が高く基礎原料として用いられることが少ない低級アルカンを、燃焼によるエネルギー源としてのみならず物質供給面から支える基幹原料へ変換する触媒として、ガス状の低級アルカンを高濃度で保持することが可能な金属有機構造体(MOF)に水素引き抜き反応を進行させる触媒機能を付与し、特殊な空間内での低級アルカンの変換手法を新たに開発する。さらに、そのエネルギー源として可視光エネルギーを利用すべく、光触媒能を有するMOF合成を行う。
|
研究成果の概要 |
金属クラスター錯体はMOFの構成要素であることから、MOFの光触媒としての潜在的な可能性を示す上で、金属クラスターの光触媒作用の解明と新規分子変換反応の開発は重要な研究対象である。特に、カルボキシラート配位子により囲まれたセリウム、および鉄クラスターに着目し、青色 LED 光の照射による光還元反応を経るカルボキシルラジカルおよび脱炭酸反応に対する反応性の検討を行い、酸素分子やアゾ化合物、電子不足アルケン等との反応による炭素-炭素もしくはヘテロ元素結合形成による脱炭酸-官能基化反応を達成した。特に鉄クラスター触媒において、酸化されやすい官能基を有するカルボン酸も適用可能であることを見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光エネルギーを反応駆動力とする有機合成反応は、従来の熱エネルギーを用いる反応よりも省エネルギーであり、反応の選択性が異なる可能性を秘めていることから、その反応を促進する光触媒の開発が盛んである。今回、複数の金属からなる金属クラスターが優れた光触媒として作用し、カルボン酸の脱炭酸-官能基化反応の触媒として作用することを明らかにした。特に鉄クラスターを用いると、天然から入手可能な様々なカルボン酸を光触媒反応に用いることが可能となり、使用できる基質の大幅な拡大につながる研究成果を得た。
|