研究課題/領域番号 |
21K18964
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
北村 充 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (10313199)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | グアニジノジアゾニウム塩 / ジアゾ化 / アジドイミダゾリニウム / IPrAP / ジアゾ化合物 / ジアゾ移動反応 / 有機アジド化合物 / 有機アジド / ジアゾカルボニル化合物 / ジアゾキノン |
研究開始時の研究の概要 |
有機ジアゾ化合物や有機アジドは,多様な反応性を示し,合成化学に限らずケミカルバイオロジーや高分子・材料分野において重要性が増している。これらの化合物の合成には,ジアゾ移動剤を用いるジアゾ移動反応が最も直接的であるが,これまでのジアゾ化剤の多くは爆発性が高く,ジアゾ化合物合成の妨げとなっていた。本研究は従来と全く異なる構造を持つジアゾ化剤を設計合成し,安全性が高く汎用性の高いジアゾ化反応を開発を目指すものである。
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研究実績の概要 |
本研究ではグアニジノジアゾニウム塩を爆発性のない求電子ジアゾ化剤として設計・合成し,さらに汎用性の高いジアゾ化反応を開発することを目的とし,1)爆発性のない求電子的ジアゾ化剤の開発と,2)求核能の低い求核剤のジアゾ化による有機ジアゾ/アジド化合物合成法の開発を目指すものである。これまで,ジアゾ移動剤としてはスルホニルアジドが用いられているが,スルホニルアジドは爆発性が高く,反応剤の安全性の改善が必要であり,取扱い易く 安全,かつ反応性の高いジアゾ移動剤の開発が強く望まれている。求電子的アジド化剤[N2=Y]が優れた反応剤としてふるまうには,脱離基Yが高い脱離能,低い求核能,求核攻撃を受けない,必要があり,反応剤自身は,高い求電子性,安全性,をもつ必要がある。グアニジノジアゾニウム塩はそのすべてを満たしており,これまでの研究において,N上に嵩高いアリール基が置換したグアニジノジアゾニウム塩[2-azido-1,3-bis(2,6- diisopropylphenyl)imidazolium hexafluorophosphate, IPrAP]が優れたジアゾ化剤となることを見いだしている。IPrAPによるジアゾ化できる求核剤を探索したところ,IPrAPを用いて単純ケトンをジアゾ化できることを明らかにした。すなわち,アリールメチルケトンなどの単純ケトンとIPrAPのエチレングリコール溶液にジイソプロピルアミンを加えるとジアゾ化が進行し対応するα-ジアゾケトンが得られることを見いだした。一般に単純ケトンのジアゾ化には強塩基を使う必要があるが,本反応の条件は非常に温和である。一方,アルキルメチルケトンとIPrAPとの反応では,転位アミド化が進行する基質もあった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り,新たなジアゾ化剤を開発し,これを用いてこれまで反応性の低い化合物のジアゾ化を実現しているため。
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今後の研究の推進方策 |
IPrAPおよびその類縁体を合成し,種々の求核剤と反応させそのジアゾ化反応の一般性を探る.また,反応機構を検討する。
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