研究課題/領域番号 |
21K18967
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
森崎 泰弘 関西学院大学, 生命環境学部, 教授 (60332730)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 面性不斉 / 円偏光発光 / 大環状分子 / 三葉結び目 / シクロファン / 環状構造 / 光学活性オリゴマー / 結び目理論 / 環状オリゴマー / 巨大環状構造 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は[2.2]パラシクロファンのベンゼン環積層構造と面性不斉に着目し、光学活性四置換[2.2]パラシクロファンをπ共役系環状骨格に導入した従前に無いキラル共役系環状分子の合成と世界最大の異方性を有する円偏光発光発現を目的とする研究である。合成予定の三葉結び目分子はベンゼン環数21個かつC≡C数21個、五葉結び目は共に30個からなる巨大拡張π共役系分子である。目的分子は理論を含め上述の条件を兼ね備えた理想的な分子と言え、それらの合成に挑戦することはもちろん円偏光発光異方性因子の世界最高値を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究によって得られた成果は以下の通りである。 ①光学活性四置換[2.2]パラシクロファン化合物を用い、三葉結び目骨格を構築することに焦点を合わせ研究を展開した。三葉結び目構造構築へ残り一段階のところまで到達した。②パイ電子系が複数枚積層した環状オリゴマーを種々合成単離することに成功し、高輝度かつ高異方性で円偏光発光することを報告した。③また、単一の共役系からなる環状分子を合成し、極めて高い円偏光発光輝度値を示すことを見出した。④片巻オルトオリゴフェニレン積層分子を合成し、オルトオリゴフェニレンが円偏光発光することを初めて報告した。⑤トリフェニレンが積層した分子を合成し構造と物性を解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
キラルな三葉結び目を共役系で構築した環状分子の合成例は皆無であり、合成に挑戦し円偏光発光を評価する円偏光発光輝度値(B_CPL値)で世界最高値を目指す本研究は学術的意義がある。本研究では結び目をもたない環状分子の合成にも成功した。特に#型環状四量体は10^-3の桁の良好な異方性因子(g値)を示し、B_CPL値も約200 M^-1cm^-1 と良好な値を示した。また、環状A型分子はその値を凌駕する優れた円偏光発光体であった(10^-2の桁のg値と300 M^-1cm^-1超のB_CPL値)。これらを通して優れた円偏光発光特性を示す分子の設計指針を提案できたことは学術的社会的意義が大きい。
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