研究課題/領域番号 |
21K18986
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分34:無機・錯体化学、分析化学およびその関連分野
|
研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪府立大学 (2021) |
研究代表者 |
久本 秀明 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 教授 (00286642)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
|
キーワード | イオン液体 / 色素液体 / アルカリフォスファターゼ / ナノエマルション / 機能性色素 / フェルスター共鳴エネルギー移動 / 化学センサー / マイクロ分析デバイス |
研究開始時の研究の概要 |
本提案では、超高感度1ステップタンパク検出に直結する酵素検出用新規超高感度変色原理として「油水界面酵素反応・油水間電荷バランスに基づく超高感度変色変換」の新原理を開拓する。本法は酵素免疫測定で酵素標識抗体の標識酵素として汎用されるアルカリフォスファターゼ(ALP)の超高感度検出を実現するため、極めて汎用性が高く、酵素反応・変色・高感度化のパーツに分けて再構築できることから、異なる濃度範囲の測定対象に対しても最適なものをデザインできる。さらに最近我々が報告した分子ふるいコーティングとインクジェット固定デバイスで、これまでの診断デバイスで困難であった超高感度簡便1ステップ測定を目指す。
|
研究成果の概要 |
我々はこれまでに,固体色素自身を液状化させた色素液体の開発によって,色素の極限濃度化を達成した酵素応答性色素液体ナノエマルション(NE)型オプトードを開発し,高感度な酵素応答を実現した.しかし,酵素応答性色素液体NEでは,一分子中に酵素基質部位と蛍光部位をもつ蛍光基質を用いるため,さらなる高感度化に有効と考えられる基質部位・蛍光部位の比率の検討は原理的に困難であった.本研究では,一般的な蛍光基質を用いずに基質部位と蛍光部位を分子として独立させてNEの油滴中に含ませた全く新しい応答機構の酵素応答性NE型オプトードの提案・実証を行い,基質・蛍光部位の比率の検討から高感度化できることを明らかにした.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、従来の蛍光基質を使用せず、基質部位と蛍光部位を分子として独立させた全く新しい応答機構の酵素応答性ナノエマルション型オプトードを初めて提案・実証した。学術的には、従来にない新しい応答機構が初めて示され、将来の生体分析やバイオセンシング分野での基礎研究に貢献する。社会的には、この新しいオプトードは生物学的分析や環境モニタリングなどの実用的な応用に役立つ可能性がある。さらに、色素の疎水性と色素比率の調整によってALP応答性を向上させる方法論は、医療診断や環境汚染監視などの分野において、より高感度で信頼性の高いセンシング技術の開発に寄与する。
|