研究課題/領域番号 |
21K18988
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分34:無機・錯体化学、分析化学およびその関連分野
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
佐藤 香枝 日本女子大学, 理学部, 教授 (40373310)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | マイクロデバイス / 細胞外マトリックス / 血管 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では細胞外マトリックス成分で構築した構造体を血管由来の細胞の培養容器として開発することを着想した。構造と材料の両方の制御から従来の培養では実現できなかった体内に近い培養環境を有する模擬血管デバイスの創成が期待できる。一方、複雑な構造を細胞外マトリックス成分で構築するのは困難である。高度な加工法を開発し、作製したデバイスを用いて血管透過性試験を実現することが本研究の目的である。
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研究実績の概要 |
血管マイクロデバイスは臓器チップ研究の一部門を占め発展を見せている。これまでに開発されてきた臓器チップでの培養技術は3D構造と力学的刺激であり、細胞周囲の間質とのやり取りは考慮されていない。本研究では臓器チップの技術を飛躍的に向上させるために間質を模倣して細胞間隙に存在する細胞外マトリックス成分で構築した構造体を血管細胞の培養容器として開発することを着想した。一方、マイクロデバイスのような複雑な構造を細胞外マトリックス成分で構築するのは現在のところ困難で挑戦的である。高度な加工法を開発し、この新規血管デバイスを用いて、より生体環境に即した血管透過性試験を実現することが本研究の目的である。 昨年度までにゼラチンを材料とする培養デバイスの作製を試み、線維芽細胞と血管内皮細胞を共培養することで毛細血管網を構築し、さらにヒト口腔扁平上皮癌を共培養するところまで達成した。今年度は、血管に培地を流すためのデバイス構造を検討した。毛細血管より大きい150 um程度の内径の流路を血管網の中に配置し、流路の入り口にシリンジポンプと繋げるためのチューブを配管した。ポンプで送液をして、蛍光ビーズが流路を流れることを確認した。毛細血管網との接続が未達成のため、流路付近に多数の血管網が存在できるように細胞播種密度を見直している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度からの課題である管腔内に物質を流せる血管構造の一部を達成できたので、概ね順調と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度から引き続きの課題である管腔内に物質を流せる血管構造の構築を検討する。続いて血管透過性試験を行うために、蛍光標識デキストランをトレーサーと して、血管内皮細胞からなる管空から外への漏れだしを蛍光顕微鏡で評価する。
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