研究課題/領域番号 |
21K18992
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分35:高分子、有機材料およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
和田 健彦 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (20220957)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | CDスペクトル / 楕円偏光 / 方位角制御 / 円偏光二色性 / 高感度測定 / 三重項 / 過渡吸収 / 高時間分解 / 円二色性スペクトル測定 / 高感度 / 楕円偏光検出 / 時間分解 / 円二色性 / 構造変化検出 / 動的挙動解析 |
研究開始時の研究の概要 |
タンパク質や核酸の複合体形成過程の検出と解析は、基礎科学的観点ならびに新規高効率生体機能性分子開発の観点からも重要な研究テーマであり、高効率で精度の高い分子開発には、複合体形成過程の動的挙動の直接的観察と解析が極めて重要と考えられ円二色性(CD)スペクトル測定が実時間観測には有効な手法であると認識されてきた。しかし、現行CD測定の時間分解能は高感度測定手法の原理的限界に基づきミリ秒程度で、マイクロ秒程度と予想されている早い複合体形成過程の検出には、本質的に適用不可能であり、根本的な解決課題を有している。本研究では高感度と高時間分解能を両立可能な新規CD測定原理の提案と測定装置を目指す。
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研究成果の概要 |
円二色性(CD)スペクトル測定は、キラル分子系の構造変化を高感度で検出可能で多用されているが、現行CDの時間分解能は原理的にm秒程度で、μ秒程度の高時間分解能と高感度を両立可能な新規CD測定原理と測定装置開発が切望されてきた。本研究では研究協力者の荒木保幸准教授の発案した楕円偏光を検出光として用いる新規検出法を活用した高感度・高時間分解CD測定装置開発に取り組み、方位角変化に基づく高感度・高時間分解観測法が有効に機能することを実証した。さらに本研究で構築した過渡CD測定法により、室温・溶液中における有機分子の励起三重項状態のCDスペクトルを測定可能であることを実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
左右の円偏光吸収の差異であるCDシグナルは、シグナル強度が小さいため高感度測定が困難である事も広く知られ、SMを用いることで本課題を解決しているが、時間分解能はミリ秒程度が上限である。このため高感度と高時間分解能を両立可能な新規CD測定原理の開発が待望されてきた。本研究では荒木准教授が提案した新規楕円偏光制御法に基づく高感度CD検出装置の構築に取り組み、方位角変化に基づく高感度・高時間分解観測法が有効に機能することを実証した。さらに本研究で構築した装置により、室温・溶液中で有機分子の励起三重項状態のCDスペクトルを測定可能であることを実証し、その波及効果は極めて大きいと評価されている。
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