研究課題/領域番号 |
21K18994
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分35:高分子、有機材料およびその関連分野
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
桑折 道済 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (80512376)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ランタニド錯体 / ホルミウム / 超分子球アレイ / ミセルキュービック液晶 / 磁性材料 / 7配位型錯体 / 放射光SAXS測定 / ミセル状キュービック液晶 / SAXS測定 / PDF解析 / ランタノイド / キュービック液晶 / 磁性 |
研究開始時の研究の概要 |
我々はこれまでに、磁気特性に優れるホルミウムと、β-ジケトン型分子からなるディスク状分子を、自己組織化的に積み上げることで1次元カラムナー磁性液晶を構築した。本研究では、室温でキュービック液晶を形成するβ-ジケトン型分子構造を探索し、ホルミウムが3次元的に配列したナノ構造磁性体を構築する。磁性体であるホルミウムの配列構造を3次元空間で制御することで、どの方向からも等方的に高い磁気力を発揮できる磁性材料の創出に関する、新たな概念の確立に挑戦する。
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研究成果の概要 |
磁性体をナノスケールで配列した「ナノ構造磁性体」は、その構造に起因した新規な磁性や機能を示す。我々は、新たなソフト磁性体の開発に向け、ランタノイド元素の中で最も高い磁性を示すホルミウムに着目した研究を行なっている。本研究では、ホルミウムを中心金属としてβ-ジケトン型配位子3分子と水1分子が配位した7配位型のホルミウム錯体が、室温で自発的にミセルキュービック液晶を形成することを見出した。放射光X線散乱測定を主とする実験的な検討に加え、MD計算による計算科学的な手法も含めて包括的に検討することで、3つのホルミウム錯体が1つの超分子球を形成し、それらがBCC構造を形成することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究期間においては、ホルミウムの配列構造を3次元的に制御し、どの方向からも等方的に高い磁気力を発揮できる磁性材料の創出に成功し、その詳細な内部構造の知見も得た。本プロセスは、自己組織化的に元素を3次元空間上に等方的に配置し階層構造を形成できる特徴がある。本手法の利点は、ホルミウム以外のランタノイド元素を用いてもBCC構造が形成されることである。ランタノイド元素は、元素の種類に応じて特性が異なり、磁性のみならず発光特性を有する材料作製へと展開可能である。今後、BCC構造以外のミセルキュービック液晶相の発現や、特異な階層構造に起因する機能創発が期待される。
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