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包接解離現象によるイオンゼーベック効果を用いたゲルエネルギーハーベスターの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K18995
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分35:高分子、有機材料およびその関連分野
研究機関東京農工大学

研究代表者

下村 武史  東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40292768)

研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
キーワードイオン熱電効果 / 包接解離 / シクロデキストリン / 分子チューブ / 包接解離転移
研究開始時の研究の概要

温度勾配下におけるイオンのもつエントロピーの輸送現象であるイオンゼーベック効果に、包接-解離転移現象を組み合わせ、大きな電位差を生み出すエネルギーハーベスターを実現する。半導体のバンドギャップに相当するものとして、シクロデキストリンによるイオンの包接-解離に関するポテンシャルを導入する。さらに、シクロデキストリンを分子チューブに変更すれば、包接-解離は平衡現象から転移現象へと移行し、高温側と低温側の温度が転移温度を挟むことで1000倍程度のイオンの濃度差を生み出し、巨大なゼーベック係数を得ることが可能となる。本研究のコンセプトの有効性を示すことで、大きな波及効果が見込まれる。

研究成果の概要

本研究は温度勾配下におけるイオンのもつエントロピーの輸送現象であるイオン熱電効果に、包接-解離現象を組み合わせ、大きな電位差を示すエネルギーハーベスターを実現することを目的としている。 シクロデキストリンをエピクロロヒドリンで架橋したゲル、あるいはアクリレート系ポリマーをマトリックスとしてシクロデキストリンを導入したゲルを作製し、熱電効果の測定を実施した。後者のゲルではシクロデキストリンの導入率を制御することで、導電率の上昇や、ゼーベック係数が向上を実現することができた。本研究の目標とする包接解離現象のイオン熱電効果への相乗効果を確認することができた。

研究成果の学術的意義や社会的意義

ゼーベック効果の考え方をイオン熱電効果にもち込むアナロジーの達成を学術的意義ととらえている。半導体のゼーベック効果が大きい理由は、バンドギャップの存在により高温側と低温側の間に熱励起キャリアの濃度差がつく点である。本研究ではこの点に着目し、バンドギャップに相当するものとして、イオンのキャッチ&リリースポテンシャルの導入を実現した。アナロジーを導入により、高分子系ならではの転移現象を導入した系のデザインを実現することが本研究の挑戦的な意義である。熱電技術をキャパシター等エネルギーデバイスに適用することは社会的な意義であり、転移の仕組みを組み込んだ多彩なデザインは大きな波及効果を生む可能性がある。

報告書

(3件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (15件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Fabrication, characterization, and thermoelectric properties of soft polyurethane foam loaded with semiconducting poly(3‐hexylthiophene) nanofibers2022

    • 著者名/発表者名
      Mano Genki、Murasawa Yoshihiro、Shimamura Keisuke、Iso Ayaka、Kanehashi Shinji、Shimomura Takeshi
    • 雑誌名

      Journal of Applied Polymer Science

      巻: 139 号: 23 ページ: 52354-52354

    • DOI

      10.1002/app.52354

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] MEH-PPV/SBSコンポジットフィルムの蛍光特性2022

    • 著者名/発表者名
      元 鍾鳴,下村 武史
    • 学会等名
      2022年繊維学会年次大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] シクロデキストリンポリマーの包接解離平衡を利用したイオン熱電効果2022

    • 著者名/発表者名
      蒲谷 勇樹,下村 武史
    • 学会等名
      2022年繊維学会年次大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] P3HTナノファイバーを用いたソフトアクチュエータの開発2022

    • 著者名/発表者名
      吉井 友哉,兼橋 真二,下村 武史
    • 学会等名
      2022年繊維学会年次大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] シクロデキストリンポリマーの包接解離平衡を利用したイオン熱電効果2022

    • 著者名/発表者名
      蒲谷 勇樹,下村 武史
    • 学会等名
      第71回高分子討論会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] PEDOT-セルロース複合体の作製と電気物性評価2022

    • 著者名/発表者名
      高橋 直史,下村 武史
    • 学会等名
      第71回高分子討論会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] P3HTナノファイバーを用いたソフトアクチュエータの開発2022

    • 著者名/発表者名
      吉井 友哉,兼橋 真二,下村 武史
    • 学会等名
      2022年度繊維学会秋季研究発表会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 高分子可塑化膜のイオンによる熱電変換2021

    • 著者名/発表者名
      鈴木千陽子
    • 学会等名
      2021年繊維学会年次大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 不織布(フレキシブル熱電変換不織布)2021

    • 著者名/発表者名
      下村武史
    • 学会等名
      2021繊維学会基礎講座
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 自己修復ゲルの作製と物性2021

    • 著者名/発表者名
      前川裕哉
    • 学会等名
      2021年度繊維学会秋季研究発表会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 高分子可塑化膜のイオンによる熱電変換2021

    • 著者名/発表者名
      鈴木千陽子
    • 学会等名
      2021年度繊維学会秋季研究発表会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] PVA:PEDOT/PSSハイドロゲルの特性評価2021

    • 著者名/発表者名
      島村圭祐
    • 学会等名
      2021年度繊維学会秋季研究発表会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 高分子材料の事典2022

    • 著者名/発表者名
      高分子学会編
    • 総ページ数
      648
    • 出版者
      朝倉書店
    • ISBN
      9784254252729
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [図書] 導電性材料の設計,導電性制御および最新応用展開2021

    • 著者名/発表者名
      小長谷重治、樋上晃裕、和田仁、次田泰裕、中谷敏雄、黒川晴巳、三島隆寛、椎木弘、前野聖二、下村武史 他82名、技術情報協会
    • 総ページ数
      983
    • 出版者
      技術情報協会
    • ISBN
      9784861048678
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [備考] Shimomura Lab at TUAT

    • URL

      http://web.tuat.ac.jp/~simo/research.html

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書 2021 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2021-07-13   更新日: 2024-01-30  

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