研究課題/領域番号 |
21K18997
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分35:高分子、有機材料およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
前田 勝浩 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 教授 (90303669)
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研究分担者 |
廣瀬 大祐 金沢大学, 物質化学系, 助教 (60806686)
西村 達也 金沢大学, 物質化学系, 准教授 (00436528)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | らせん / ポリアセチレン / 機能性高分子 / リビング重合 / 刺激応答 / 刺激応答性 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者が最近独自に開発した「簡便かつ適用範囲の広い両末端の官能基化が可能なポリフェニルアセチレン誘導体[以下、PPA]の精密合成技術」と、長年取り組んできた「ラセン高分子の外部刺激応答性・運動性」・「固体表面で機能するスイッチングマテリアル」に関する知見を基軸として、従来のラセン高分子の合成手法では設計・合成が困難であった、固体基板上でプログラミングされた運動性を示すラセン高分子鎖からなる機能性マテリアルの創製を行う。具体的には、外部刺激に応答してラセンのピッチが変化(伸縮)するラセン状PPA鎖からなる(A)分子アクチュエーターと(B)運動性ポリマーベルトを創製することを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、申請者が独自に開発した「簡便かつ適用範囲の広い両末端の官能基化が可能なポリフェニルアセチレン誘導体(PPA)の精密合成技術 」と、「ラセン高分子の外部刺激応答性・運動性」・「固体表面で機能するスイッチングマテリアル」に関する知見を基軸として、従来のラセン高分子の合成手法では設計・合成が困難であった、固体基板上でプログラミングされた運動性を示すラセン高分子鎖からなる機能性マテリアルの創製を行うことを目的としている。具体的には、独自に開発したテレケリックPPAの新規精密合成法を利用して、(A)分子アクチュエーターと(B)運動性ポリマーベルトの創製を目指して、以下の2項目について検討した。 1. 分子アクチュエーターの創製 側鎖にアミノ酸由来のアミド基を有するPPAが、溶媒の極性によって側鎖アミド基間の分子内水素結合の組み換えを起こし、そのラセンのピッチが可逆的に伸縮することを見出した。本PPAの濃厚ポリマーブラシを石英基板上に作製し、円二色性測定によりその光学特性を調べ、溶液中と同様に基板上でもラセンのピッチが可逆的に伸縮することを示すことに成功した。さらに、濃厚ポリマーブラシの膜厚をSEM測定により観察したところ、ポリマー鎖のラセンのピッチの伸縮によってポリマーブラシの膜厚が大きく変化し、分子アクチュエーターとして機能する可能性が実証された。 2. 運動性ポリマーベルトの創製 開始末端に環状ホスト分子、停止末端にそのゲスト分子を導入した側鎖にアミド基を有するPPAを合成することに成功した。本テレケリックPPAが、ポリマー鎖末端のホスト-ゲスト相互作用を介して超分子ポリマーを形成し、側鎖アミド基間の分子内水素結合のONとOFFによってPPA鎖の剛直性が変化すると、生成する超分子ポリマーのモルフォロジーが剛直な直線状と環状にそれぞれ変化することを見出した。
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