研究課題/領域番号 |
21K18998
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分35:高分子、有機材料およびその関連分野
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
桶葭 興資 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (50557577)
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研究分担者 |
西村 俊 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (20610067)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 相転移 / 高分子 / 酸化還元 / 電子 / 触媒 / 水素 / イソプロピルアクリルアミド / ビオロゲン / コイル・グロビュール / 人工光合成 / ゲル |
研究開始時の研究の概要 |
環境エネルギー問題の解決策として、可視光エネルギーにより水から水素や酸素を生成するクリーンなエネルギー変換システム「人工光合成」の実現が切望されている。本研究では特に、水素生成側の電子伝達反応において、電子輸送分子の拡散律速に依存しない、高分子のコイル・グロビュール転移を輸送駆動力とするシステム構築に挑戦する。ここではマーカス理論に基づいた電子輸送に有効な分子間距離を考慮した、電子輸送加速型の高分子ゲルシステムを設計する。
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研究成果の概要 |
持続可能な社会の実現に資するため、高分子の相転移挙動を導入した人工光合成システムを設計した。高分子のコイル・グロビュール転移を電子輸送の駆動源とすることで、電子移動にかかる拡散律速の問題解決を目的としている。この能動的な電子輸送モデルは、精密な高分子設計に基づいたもので、マーカス理論が示す有効な電子伝達距離の条件を満たす有用な分子制御となった。実際の葉緑体にあるチラコイド膜が複数の機能分子間に与える反応場のように、本研究の高分子ネットワークも電子輸送において重要な役割を果たすと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
環境エネルギー問題を背景に、太陽光エネルギーを用いた水の完全分解に関する研究では、可視光の利用や物質変換の反応場が重要課題とされてきた。太陽光によって無尽蔵にある水から水素と酸素をつくる技術が成熟すれば、水素エネルギー社会や究極の物質循環系への移行が現実的となる。そこで我々は、光合成を行う葉緑体の高次構造にインスパイアされ、そのエネルギー変換に着目した。ここで、反応場として高分子網目を精密に導入することは学術的にも重要課題である。
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