研究課題/領域番号 |
21K19003
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分35:高分子、有機材料およびその関連分野
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
中 建介 京都工芸繊維大学, 分子化学系, 教授 (70227718)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | かご型シルセスキオキサン / ポリウレア / ポリイミド / 低誘電率 / 水素結合 / 高熱伝導 / 有機無機ハイブリッド高分子 / 封止剤 |
研究開始時の研究の概要 |
超高輝度LEDが代替照明機器として大きく期待されている。発光部が高温となる超高輝度LEDを実用化するために、耐熱性に加えて透明性と高熱伝導性という相反的性質を有する封止剤が求められている。しかし、このような特性の両立は既存の材料では達成不可能である。本研究では、剛直な無機クラスター骨格と柔軟な有機鎖で構成されるかご型シルセスキオキサン(POSS)ブロックと水素結合性有機ユニットが交互に結合した数珠玉構造デザインによって、耐熱性、透明性および高熱伝導性に加えて柔軟性を共存させた既存の材料では達成不可能なトレードオフを解消した高熱伝導性透明樹脂を開拓する。
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研究成果の概要 |
既存の材料では達成不可能なトレードオフを解消した高熱伝導性透明樹脂を開拓することを目的としてアミノ基を2個有するかご型シルセスキオキサン(POSS)モノマーと種々のジイソシアナートとの重合により架橋部位の長さや極性を変化させたPOSS主鎖型ポリマーの合成を行いそれらの物性および特性評価を行った。その熱伝導率は0.25 W/m・K程度と必ずしも熱伝導性が向上するものではなかった。しかしながら、重合の進行に伴って、通常の低分子オイルゲル化剤と同程度の濃度でゲル化が進行することがわかったことや、一般的には高誘電材料であるポリウレアを低誘電率・低誘電正接化できることが示されるなどの成果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
得られたフィルムの物性を評価したところ熱伝導率は高くても0.25 W/m・K程度と必ずしも熱伝導性が向上するものではなかった。しかしながら、フィルムの比誘電率および誘電正接の測定を行った結果、高分子の構造によっては比誘電率が3以下・誘電正接が0.01以下となるものがあり、一般的には高誘電材料であるポリウレアを低誘電率・低誘電正接化できることに成功した。このような特性は剛直で嵩高い疎水性ブロックであるDDSQと水素結合性官能基を含む架橋部位が数珠玉のように連なった構造に由来することを示す結果であり、既存の材料では達成不可能なトレードオフを解消した材料設計指針に寄与するものである。
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