研究課題/領域番号 |
21K19017
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分36:無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
青木 芳尚 北海道大学, 工学研究院, 教授 (50360475)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 電気化学的CO2還元 / ヒドリドイオン / プロトン固体酸化物セル / 金属窒化物 / カソード / ヒドリドイオン伝導体 / 共電解 / 固体酸 / CO2再資源化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではCO2の還元電解によるエタノール生成反応に対し、従来のプロトン(H+)が関与する脱水反応経路ではなく、ヒドリドイオンによる求核的な水素付加反応経路を駆動する電極系を創製し、画期的なCO2再資源化プロセスの開拓に挑戦する.この目標に対し、比較的小さな仕事関数をもつ金属伝導性遷移金属窒化物でのヒドリドイオン欠陥生成に着目し、このような材料とCu微粒子をナノレベルで複合させ、ヒドリドイオン伝導性と触媒活性を併せ持つ電極を創製する.これらをCsH2PO4固体酸電解質と組み合わせたセルを作成し、これによりヒドリドの反応性に基づいたエタノール電解合成を行う.
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研究成果の概要 |
粒界ヒドリドイオン伝導性をもつ岩塩型バナジウム窒化物をカソードに用いたプロトン固体酸化物セルを構築し、CO2の電気化学的還元を検討した。電解質にはリン酸系プロトン伝導体を用い、またアノードには銀電極を用いたセルで、150℃付近でCO2-H2O共電解を行った。その結果MoN窒化物薄膜にAg表面層を蒸着したカソードを用いたセルで、ファラデー効率5%のCO生成を達成した。一方でMoNおよびAgのみをそれぞれ用いた場合、効果的なCO2還元は観測されなかった。従ってMoNーAg-気相の三相界面が、CO2還元反応場として有効と分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
固体電解質セルを使ったCO2-H2O共電解プロセスは、化石燃料由来のグレー水素を使わず、CO2を有用物質へと転換することができ、また比較的反応速度が速いため、工業的なCO2再資源化法として期待されている。これまでは、酸化物イオン伝導体Zr0.9Y0.1O1.9を用いた高温型固体酸化物セルを使ったプロセスが検討されてきた。しかしながらこの様な高温では熱力学的に、生成物はメタンのみに限られ、また電極に用いる材料が制限されるため、より高付加価値の高い材料への転換は難しい。本研究の成果は、CO2をメタンより資源価値の高いCOへ選択的に変換する手法を開拓した。
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