研究課題/領域番号 |
21K19023
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分36:無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
長田 実 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (10312258)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 二次元物質 / ナノシート / コーヒーリング効果 / 単一液滴集積法 / マランゴニ効果 / 精密集積 / マランゴニ対流 / 2次元物質 / 粒子集積技術 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、原子膜物質(ナノシート)を利用して、身近で未開拓のコーヒーリング効果の理解と制御に挑戦する。応募者は、ナノシートの薄膜作製を検討する中で、マイクロピペットを使ってコロイド水溶液を基板に一滴滴下、吸引という簡便な操作により、ナノシート同士が隙間なく稠密配列し、単層膜形成するという興味深い現象を発見した。これは高い2次元異方性を有するナノシートを利用することで特殊な移流集積が実現し、コーヒーリング効果を制御・抑制した高次集積の可能性を示唆するものである。本研究では、このシーズ的知見・技術をベースに、ナノシートを用いてコーヒーリング効果を理解、制御し、新しい粒子集積技術への展開を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、原子膜物質(ナノシート)を利用して、コーヒーリング効果の理解と制御に挑戦する。我々のグループでは最近、高い2次元異方性を有するナノシートを利用することで特殊な移流集積が実現し、コーヒーリング効果を制御・抑制した高次集積が実現するという興味深い現象(単一液滴集積)を発見した。本研究では、無機ナノシートをモデルケースに、コーヒーリング効果の制御機構解明を目指した研究を推進した。さらに、単一液滴集積法の自動化、大面積化、積層化などの検討を行い、無機ナノシートナノシートの高品質稠密配列膜を簡便、短時間、少量の溶液で、大面積製膜(4インチφ以上)を実現する新技術を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、コーヒーリング効果という身近な現象を題材に、新たな材料技術を創出しようとする挑戦的提案である。近年のナノテク、合成技術の発達により、次元、形を高度制御したナノ物質が開発され、ナノ物質を自在に操作し、高次構造をつくる技術の重要性は高まっている。その最も基本的な技術は、「並べる」ことである。本研究は、研究者のシーズと斬新な着想をベースに、この「並べる」の本質に迫り、粒子集積の新しい原理の発展や方法論を提案するものである。本研究で開発した集積技術は、将来の2次元材料の印刷・薄膜技術と関係した重要な課題であり、その延長線上には革新的なデバイス製造技術につながる大きな可能性を秘めている。
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