研究課題/領域番号 |
21K19029
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分36:無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
阿部 正明 兵庫県立大学, 理学研究科, 教授 (90260033)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 金属錯体 / クラスター化合物 / 構造 / 発光 / 圧力 / 超高圧 / 歪み / 固体発光 / クラスター / ピエゾクロミズム / 高圧 / 錯体 / 結晶 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ダイヤモンドアンビルセルを用いたギガパスカルレベルの高圧下での分子骨格歪み・捻れ・空隙変形の原理を解明し、新概念「分子弾性」を世界に先駆け提唱し、実験・理論両面から実証することを目的とする。固体圧力変化に対して力学変形が期待される遷移金属d10クラスター化合物、典型金属らせん錯体、有機包摂結晶の3つの化合物群を対象とし、高圧下での粉末および単結晶X線回折実験と高圧発光計測を実施するし、構造と発光の圧応答性を解明する。原子レベル高解像度な分子変形プロセスの解明、分子構造変形と固体発光変化の同期性・連関、化合物の誘導化・多様化による超高圧下の構造・発光制御について網羅的に研究を推進する。
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研究成果の概要 |
本研究ではダイヤモンドアンビルセルを用い、超高圧印加により誘起される分子骨格の歪み・捻れ・空隙変形を観測することにより、Molecular Elasticity (分子弾性)を実験的に実証することを目的とした。柔軟なコア構造を有すd10多核クラスターの単結晶を作製し、高圧下での粉末X線回折実験と単結晶X線構造解析を実施した。同条件での固体発光を観測し、構造歪みと発光ピエゾクロミズムとの相関を得た。ゲスト包摂結晶においては、ゲスト種や空隙内配向に依存する。以上より、高圧下分子変形は分子対称性と結晶対称性を保持し進行することを見出すなど、分子歪み現象を分子・原子レベルで捉えることに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は従来明らかではなかった金属錯体分子結晶の高圧歪み・高圧発光を始めて観測し、その分子弾性を分子・原子レベルで解析したこと、高圧印加によりどのように構造変形し、発光エネルギーに影響するか、その原理を解明し得たことに大きな学術的意義があると考える。今後、周期表のより多様な元素を活用した分子を設計・合成し、その外部刺激に基づく構造・エネルギー制御を行う際、本研究で得られた圧力操作に基づく基本原理を活用することにより、様々なセンサー・構造材料の創製・応用分野への展開など、大きな社会的インパクトに結びつく可能性があると確信する。
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