研究課題/領域番号 |
21K19030
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分36:無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
下嶋 敦 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90424803)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | 多孔体 / シロキサン / エラストマー |
研究開始時の研究の概要 |
規則的に配列した直径2-50 nmの細孔を有するメソポーラス材料は、触媒、吸着材料、低屈折率材料、断熱材料など幅広い応用がある。本研究では、分子設計された有機ケイ素化合物をビルディングブロックとして用い、シロキサン(Si-O-Si)骨格構造を精密制御することで、ゴムのような柔軟性を有する新しいメソポーラスエラストマーの創出を目指す。これにより、外力に応じた細孔形状、細孔径、空隙率の変形に基づく吸脱着制御や、誘電率・屈折率・熱伝導率などのシームレスな制御に道を拓く。
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研究成果の概要 |
ナノ細孔を有するシロキサン(Si-O-Si)系材料は、高い熱的、化学的安定性と高比表面積、大細孔容積を有することから、触媒、吸着・分離など幅広い応用がある。本研究では、柔軟な骨格と規則性メソ孔を有する新しい有機シロキサン材料を創出した。シリカナノ粒子のコロイド結晶を鋳型として用い、粒子間空隙における有機シロキサンの架橋構造の精密制御や鋳型除去のための塩基処理条件の最適化により、細孔径が55 nm以下の規則性細孔を有する有機シロキサン系エラストマーの作製に成功した。圧縮による可逆的な変形が可能であることを確認し、外力によって細孔形状、細孔径、空隙率をシームレスに制御できる可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
無機多孔体は“固い”という固定概念を覆し、ゴムのような柔軟性と規則性メソポーラス構造を両立できれば、細孔の形やサイズを変化させることによって、細孔内部のゲスト種の吸脱着制御や、配向制御、特異な反応などへの利用が期待できる。さらに、ナノ空間は材料の屈折率、誘電率、熱伝導率とも深く関わるため、これらの物性のシームレスな制御も可能となる。さらに、アゾベンゼンなどを組み込むことで、光などの外部刺激をトリガーとして変形を誘起することも期待できる。このように、メソポーラスエラストマーの創製は新しい機能性材料としての魅力的な展開と、幅広い分野への波及効果が見込まれ、大きな意義がある
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