研究課題/領域番号 |
21K19037
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
上田 実 東北大学, 理学研究科, 教授 (60265931)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 植物ホルモン / ジャスモン酸 / 受容体 / ゼニゴケ / 始原植物ホルモン / COI1-JAZ / dn-iso-OPDA / MpCOI1 / dn-OPDA / 遺伝的冗長性 |
研究開始時の研究の概要 |
進化した陸上植物は多くの植物ホルモン受容体ペアをもつ。高等植物では、これらが冗長的に機能しつつ、それぞれ異なる生物応答を制御している。高等植物は、何のために、一つのホルモンに対して多くの受容体を持つのか?本申請では、天然物化学と分子進化遺伝学をハイブリッドさせた「人工的先祖返り(Artificial Throwback; ATB)」戦略により、この謎の解明に挑戦する。
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研究成果の概要 |
ゼニゴケの植物ホルモンの化学合成を達成し、また、ゼニゴケ型ホルモン受容体MpCOI1の遺伝子を取得し、これを昆虫細胞培養系を用いて異種発現することに成功した。キメラ型受容体MpCOI1-AtJAZとゼニゴケの植物ホルモンの親和性を蛍光異方性で確認した結果、ゼニゴケの植物ホルモンは、13種のJAZサブタイプの内の一部のみとMpCOI1-AtJAZとリガンドとの複合体を形成した。 続いて、キメラ型受容体MpCOI1-AtJAZをもつ遺伝子改変植物を調整した。現在はホモ体の選抜を進めており、完了次第「人工的先祖返り」実験を進める予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物のほとんどの生理機能は植物ホルモンによって制御されており、その進化的起源から複雑な植物ホルモンシグナル伝達ネットワークを解明する試みが盛んである。ジャスモン酸イソロイシン(A-Ile)は、植物の病原菌感染耐性や虫による食害への防御応答など、魅力的な作用をもつ植物ホルモンである。高等植物では、JA-Ile受容体が冗長的に機能し、それぞれ異なる生物応答を制御している。一方、始原陸上植物ゼニゴケのMpCOI1-MpJAZ共受容体ペアは1種類のみであり、進化の過程で遺伝的冗長性が発生した。本研究は、天然物化学と分子進化遺伝学をハイブリッドさせた「人工的先祖返り」戦略により、この謎の解明に挑戦した。
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