研究課題/領域番号 |
21K19052
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
南川 典昭 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 教授 (40209820)
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研究分担者 |
小暮 健太朗 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 教授 (70262540)
田良島 典子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 准教授 (90755183)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 核酸化学 / 合成生物学 / 4'-チオ核酸 / 人工細胞 / 人工核酸 / セントラルドグマ / 合成セントラルドグマ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、4’-チオ核酸 (4’-チオDNAと4’-チオRNA) を遺伝情報に持つ新しい人工細胞に細胞本来の機能を持たせた新しい細胞システムを構築する。その実現にむけて、①合成セントラルドグマ内包人工細胞の最適化、②最適化した人工細胞が、標的とした細胞に遊走・融合する機能を付与するために膜表面への機能性ドメインの提示、③機能化した人工細胞による新しい細胞システムの作動検証を行う。 これが達成できれば、標的とする細胞だけに効率的にタンパク質を輸送する (発現させる) ための技術革新を創出できる。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、4'-チオ核酸からなるsynthetic central dogmaを内包する新しい人工細胞システムの創出を目的とし、研究を行った。 その結果、rSG DNA (配列中のグアノシン残基を4'-チオグアノシンに置換) を鋳型として用い、4'-チオシチジン 5'-三リン酸 (rSCTP) 存在下で反応を行うことで、ワンポットにて連続する4′-チオDNA→4′-チオRNA→タンパク質への転写・翻訳の進行を確認できた。さらにこの一連の反応が、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン (DOPC) との薄膜水和法により調整した人工細胞中で起こることも確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「DNAに保存された遺伝情報はRNAへと転写され、タンパク質へと翻訳される」というセントラルドグマの概念は、全ての細胞の生命活動の根幹を成す。では、DNAやRNAは、セントラルドグマに基づく遺伝情報の保存と伝搬を担う唯一の物質なのであろうか。もし違うとすれば、DNAやRNAの代替えとなる物質を化学の力で創造出来ないだろうか。 本研究課題では、その解を求めることに挑戦し、4'-チオ核酸がその代替物質となることを証明した。この研究成果は、合成生物学の研究分野の広がりに大きな影響を与えると考えられる。
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