研究課題/領域番号 |
21K19054
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
森 健 九州大学, 工学研究院, 准教授 (70335785)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ケミカルノックダウン / 膜タンパク質 / エンドサイトーシス / リソソーム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、これまで不可能であった膜タンパク質に対するノックダウン(KD)法を開発することを目的とする。膜タンパク質は、細胞内シグナル伝達の最初に位置するタンパク質であり、がんや自己免疫疾患など種々の疾患の治療標的である。したがって、膜タンパク質に対するKD法は、これらの疾患に対する新しい創薬の戦略を提案することになり、その意義はきわめて大きい。そこで、本研究では、標的の膜タンパク質をその細胞外ドメインで認識し、細胞内にリソソーム経路に移行するシグナルペプチドを提示させるという戦略を提案し、これを実現する分子を開発する。
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研究成果の概要 |
本研究は、膜タンパク質のプロテインノックダウン技術の開発を目的とした。マイルストンとして、適切な膜貫通部およびクラスリン認識部の開発がある。膜貫通部として酸性pH応答性ペプチドに注目した。既存のペプチド(pHLIP)はバクテリア由来であり、抗原性が危惧される。そこで、ヒト由来のプロテオームから探索した。pHLIPの特徴を列挙してこれらを必要条件として、全膜貫通タンパク質の膜貫通領域を候補として(10万種以上)探索したところ、20種類程度が条件を満たした。このうち4つペプチドについて評価し、そのうち1つがpHLIPと同等の細胞集積能を示した。今後、クラスリン認識部を開発して、技術の実現を目指す。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんをはじめとする様々な疾患の原因はタンパク質にあり、標的タンパク質を自在に破壊(ノックダウン)する技術の開発は、これら疾患の治療薬となるのみならず、それらのタンパク質の生物学的な機能を明らかにすることができる。これまで、細胞内のタンパク質に対するノックダウン技術が開発されてきたが、膜タンパク質に対する開発は遅れていた。本研究ではこれを目指し、最初のマイルストンである膜貫通部のペプチドを見出すことに成功した。
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