研究課題
挑戦的研究(萌芽)
ウィルス増殖を抑制するI型インターフェロンの産出を誘導する核酸分子を構築する。人工的に合成したCG配列を有する非メチル化一本鎖核酸(CpG ODN)はトール様受容体(TLR)9のリガンド分子として機能するが、I型インターフェロンに加えて、炎症性サイトカインも誘導するため、感染症悪化が懸念される。本研究では、pHにより構造を変化させる核酸であるiモチーフ構造に着目し、CpG ODNとTLR9との相互作用を細胞内環境に応じて変化させることにより、I型インターフェロンのみを誘導する分子を開発する。
シトシン同士が pH5.0以下の酸性条件において3位窒素プロトン化を介して塩基対をつくることで形成される構造であるiモチーフに人工的に合成したCG配列を有する非メチル化一本鎖核酸(CpG ODN)を導入することで、免疫細胞にI型インターフェロンを誘導させることを目指した。その結果、iモチーフのループ領域にCpG配列を導入した核酸(i-CpG ODN)は単独ではIL-6は誘導したものの、IFN-αは誘導しないこと、またカチオン性リポソームに静電的相互作用で結合させることでIFN-αは誘導される結果が得られた。
本研究では、ウィルス増殖を抑制するI型インターフェロンの産出を誘導する核酸分子を構築した。I型インターフェロンは抗ウィルス活性の役割を担っていることから、ウィルス感染の予防や感染後の感染細胞を除去することができる。本研究の成果は、感染症の予防や治療に応用が見込まれ、人々のQOL(クオリティ オブ ライフ)を高めることに貢献する。
すべて 2024 2023 2022 2021 その他
すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 5件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件) 備考 (4件)
Biomolecules
巻: 13 号: 11 ページ: 1639-1639
10.3390/biom13111639
Biomedical Research and Therapy
巻: 9 号: 11 ページ: 5410-5417
10.15419/bmrat.v9i11.780
ACS Chem Biol
巻: 17 (7) 号: 7 ページ: 1703-1713
10.1021/acschembio.1c00904
巻: 12 号: 12 ページ: 1868-1868
10.3390/biom12121868
Nanomedicine: Nanotechnology, Biology and Medicine
巻: 40 ページ: 102508-102508
10.1016/j.nano.2021.102508
Sensors (Basel)
巻: 11(11) 号: 11 ページ: 1617-1617
10.3390/biom11111617
https://samurai.nims.go.jp/profiles/yamazaki_tomohiko
https://life.sci.hokudai.ac.jp/tl/lab/frontier-biomaterials-science
https://www.nims.go.jp/group/frontierbiomaterials/index.html