研究課題/領域番号 |
21K19059
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
鈴木 雄二 岩手大学, 農学部, 教授 (80374974)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | Rubisco / 酵素的特性 / スクリーニング / 野生植物 / 実験系の改良 / 光合成 / 自然変異 |
研究開始時の研究の概要 |
光合成の機能改良に有用であると期待される、優れた特性を有する光合成炭酸固定酵素Rubiscoを自然界から探索する。はじめに、扱いの困難な植物種に適用可能なRubiscoの活性測定方法を確立する。次に、優れたRubiscoの探索を多様な植物を対象にして行う。さらに、得られたRubiscoの遺伝子配列を解析し、優れたRubiscoを特徴づけるモチーフの特定を試みる。
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研究成果の概要 |
本研究では広い植物種を対象とし、酵素的特性が優れた光合成炭酸固定酵素Rubiscoを探索した。まず、葉内の夾雑物による悪影響を防ぎ、広い植物種に適用可能なサンプル調製方法を開発した。次いで、Rubiscoの酵素的特性を、高山植物を含む低温耐性植物、これまでに知見の少ないシダ植物や針葉樹等を対象とし調べた。残念ながら優れたRubiscoは発掘できなかったが、トクサ等はC4植物並みの高比活性Rubiscoを多量に有し、ヒカゲノカズラ類ではRubiscoの存在量が極めて少ないという新たな知見を得た。これらの植物の祖先が高CO2環境下で進化・多様化したことが、その原因となっていると推察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の最終的な目的は果たせなかったが、Rubiscoの活性測定が可能な植物種を広げたという技術的進展は、今後のRubiscoの高性能化を介した光合成能力強化の研究にとって大きなプラスとなる。また、本研究で得られたRubiscoの特性に関する知見は、これまでの光合成研究の常識を覆すものであり、学術的な価値が高い。さらに、これらの原因を植物の進化の過程に関連付けて議論できたため、広い範囲の植物科学にとってもインパクトを与えることができたと考えられる。
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