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土壌細菌群集における栄養資源の「勝者独り占め現象」の詳細とそのメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K19068
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分38:農芸化学およびその関連分野
研究機関東京大学

研究代表者

大塚 重人  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (10313074)

研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2023-03-31
研究課題ステータス 交付 (2021年度)
配分額 *注記
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
キーワード土壌微生物 / 土壌生態系 / 炭素源 / 群集構造 / 土壌 / 微生物群集 / 増殖
研究開始時の研究の概要

研究代表者は、グルコースなど低分子炭素源を添加した土壌の細菌群集構造を、低次分類単位で解析することにより、数種の土壌細菌だけが投与された炭素源を利用して増殖し、他の土壌細菌は増殖できないという現象を発見した。この現象は複数種の炭素源で生じることも分かってきた。本研究では、低次分類単位の存在量分布の解析やメタゲノム解析、分離培養・生育試験といった多面的なアプローチにより、この現象のユビキタス性と特性のさらなる詳細を明らかにし、この現象が生じるメカニズムや、この現象が起きることによって土壌細菌の群集機能がどのように変化するのかを明らかにすることを目的とする。

研究実績の概要

(1)黒ボク土の畑土壌を供試して土壌ミクロコズム(微小な土壌生態系)をつくり、そこに、炭素源としてグルコース、キシロース、クエン酸、ガラクツロン酸をそれぞれ単独で添加し、4週間のインキュベートを行った。土壌を経時的に分取してDNAを抽出し、16SリボゾームRNA遺伝子の部分塩基配列をPCR増幅して精製した。現在、そのようにして得られた約200の土壌サンプルに由来するDNA試料について、次世代シーケンサーによる塩基配列の大量解読を業者に委託している。これまでに約100サンプルのデータの納品を受け、現在、残りのデータの納品を待っている状況である。データが届き次第、アノテーション等を行い群集構造解析に進む。
また、(2)上記の炭素源を単一炭素源とする培地を用い、同じ土壌から細菌を分離した。細菌の16SリボゾームRNA遺伝子を解読し、系統解析を行って、属レベルまで同定を行った。この塩基配列と (1)の塩基配列を比較・照合する。(1)のデータが全て納品されてから詳細に比較することになるが、これまでのところ、(a) ある炭素源を(培地上では)資化できたが土壌中では増殖できなかった「敗者の細菌」(または注意深く増殖を抑制していた細菌)に相当する分離株が得られている。また (b) 土壌中の勝者であり培養可能でもある細菌も分離されている。16S rRNA遺伝子塩基配列に基づき近隣結合法によって作製された系統樹においては、今のところ「勝者の細菌」と「敗者の細菌」との間に、明確な系統的差異や傾向は認められていない。今後は炭素源と生育速度の関係の解析など、生理性状の解析に進む。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

まず、Covid-19感染拡大への対応から、2021年度の最初の頃は、研究室に滞在する人数を制限していたため、研究の開始と初期の進行に遅れを生じた。
さらに、研究協力者の実験技術の習得に、当初予想していたよりも大変多くの時間がかかり、またミスによりいくつかの実験の過程をやり直す必要が生じた。そのため、想定していたよりも研究の進行が遅れている。

今後の研究の推進方策

現在まで研究の進行は遅れているが、遅れをもたらした原因はほぼ解決したため、今後の研究の進行には問題ないと考えられる。

報告書

(1件)
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 土壌への炭素源供給に対する細菌群集の応答2022

    • 著者名/発表者名
      岩田俊亮,水谷奈央子,美世一守,大塚重人
    • 学会等名
      日本土壌微生物学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-07-13   更新日: 2022-12-28  

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