研究課題/領域番号 |
21K19070
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
北岡 本光 新潟大学, 自然科学系, 教授 (60353984)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 水酸基の酸化 / 多糖分解 / 酵素反応 / 新規分解経路 / β脱離 / セルロース / 酸化 / セロビオースホスホリラーゼ / N-アセチルヘキソサミン1-キナーゼ / グルコシルマンノースホスホリラーゼ / ピラノースオキシダーゼ / 酸化酵素 / LPMO |
研究開始時の研究の概要 |
酵素によるグリコシル結合の分解は、通常グリコシド結合に直接作用する酵素により行われる。本研究では、1-デオキシ-2-ケトセロビオースに見出されたβ脱離によるグリコシド結合の自発分解が、セルロースのグリコシル結合に直接関与しない水酸基の酸化に起因した自発分解として普遍的に観測できる現象であるかを、モデル化合物を調製することにより検証する。さらに、水酸基の酵素酸化反応がセルロースなどの結晶性多糖分解へ寄与している実例について探索する。
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研究成果の概要 |
セロビオースを出発原料として触媒量のリン酸存在下に10℃にてセロビオースホスホリラーゼおよびピラノースオキシダーゼを作用させることにより還元末端2位の酸化された2-ケトセロビオースの効率的な合成に成功した。2-ケトセロビオースは、pH 7.0, 30℃において半減期103時間でβ脱離反応により分解された。セルロースの中間グルコース残基の酸化されたモデル化合物である1-デオキシ-2-ケトセロビオースは同じ条件下において半減期17時間で分解することが示されているため、セルロースの2位が酸化されると、一般的に常温中性pH下で脱離反応を起こすことにより結合が切断されることが証明された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、セルロースなどの多糖類の水酸基が酸化されることにより結合が自動的に分解されることが証明された。このことから水酸基酸化酵素による未知の多糖分解経路の存在する可能性が示されたことになる。この成果をもとに、特に難分解性の結晶性多糖の新規な分解経路の発見が期待される。
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