研究課題/領域番号 |
21K19072
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
今村 彰宏 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (30610951)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 特発性肺線維症 / IPF / シアリダーゼ / NEU1 / シアル酸 / 有機合成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、国の指定難病であるヒト特発性肺線維症(IPF)の新規治療薬の開発を目指し、ヒトシアリダーゼNEU1阻害剤の創出を目的とする。IPF発症患者では、NEU1の発現が優位に増加していることが分かっており、NEU1の機能を阻害することはIPFの治療につながる。しかし、ヒトシアリダーゼは他にNEU2, NEU3, NEU4が存在し、各々重要な生体機能を有している。そのため、NEU1のみを選択的に阻害可能な化合物でなければ治療薬として成り立たない。そこで本研究では、高選択的かつ高度な阻害活性を有するNEU1阻害剤を合成化学的手法により創製する。
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研究成果の概要 |
本研究では、国の指定難病であるヒト特発性肺線維症(IPF)の新規治療薬の開発に向け、ヒトシアリダーゼNEU1の選択的阻害剤の創製を目的とした。我々は、先行研究においてNEU1を高酵素選択的かつ高度に阻害できるリード化合物を見出しており、本研究では、より高い阻害活性を有する化合物の創出を目指した。 四種の新規化合物を分子設計し、それらを有機化学的手法により合成した。得られた化合物のNEU1阻害活性を評価したところ、リード化合物と同等の活性を示したものの、リード化合物を超える化合物の創出には至らなかった。一方、本研究において、リード化合物の新規合成経路を確立し、大量合成化を実現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国指定難病である特発性肺線維症(IPF)の治療薬は限られており、有効性の高い新規治療薬の開発が強く望まれている。本研究では、従来の治療薬とは異なり、シアリダーゼNEU1の機能阻害を作用機序とする新規IPF治療薬の開発を目指した。本研究では、NEU1を酵素選択的かつ高度に阻害する化合物の大量合成法を確立するとともに、阻害活性に重要となる分子構造を見出した。今後、さらなる阻害活性の向上に向け、分子構造の精査および合成法の確立を行うことで、IPFに対する新規阻害薬の開発につながると期待できる。
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