研究課題/領域番号 |
21K19089
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松井 利郎 九州大学, 農学研究院, 教授 (20238942)
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研究分担者 |
田中 充 九州大学, 農学研究院, 准教授 (70584209)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ノンターゲット分析 / 食品分析 / 味香り分析 / LDI-MS / MALDI-MS / SALDI-MS |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は1台のMALDI-MS装置で、誘導体化などの前処理を行うことなく、香りと味成分を「そのまま」ワンストップ分析しようとするものであり、世界初の風味成分の同時分析法の提案となる。構築しようとするSALDI-MS食品分析法は、香り成分をイオン化支援材に吸着保持させ、マトリックス剤を使用することなく定量できる画期性がある。
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研究実績の概要 |
本研究ではこれまで、グラファイトカーボンブラックをイオン化支援材として用いたレーザー脱離イオン化質量分析(GCB-LDI-MS)法により、揮発/不揮発性および疎水/親水性の低分子食品成分の一斉検出が可能であることを明らかにしてきた。そこで本年度は、この味と香りを同時分析できるワンストップ食品分析法を活用した新たな食品品質評価法の構築を目的とした。生産国の異なる3種のしょうゆA、B、Cを分析対象とし、試料(100倍希釈液、内標準:[13C6] Glc、[13C5,15N1] Glu)0.5 micro-LをGCB上に直接滴下・風乾後、GCB-LDI-MS分析に供した。その結果、3種の異なる醤油より正イオンモードでは総計568シグナル、負イオンモードでは672シグナル(S/N ≧ 3)が集約された。観測されたMSシグナルm/z情報に基づき主成分分析を行った結果、生産国の違いを明瞭に識別することができた。さらに、識別寄与因子として、単糖類([M+Na]+:203.1 m/z)、二糖類([M+Na]+:365.1 m/z)、lactic acid([M+Na]+:112.9 m/z)、Glu([M-H]-:146.0 m/z)およびpyroglutamic acid([M-H]-:128.0 m/z)(因子負荷量 ≧0.3)が抽出され、これら因子のMS強度と含量との間に良好な相関関係にあることが判明し、醤油品質への寄与が高い成分であることが示唆された。
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