研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究は、「香気成分は、匂いとして知覚された後、どこに行くのか?」という疑問から始まった。これまでの研究の結果、ある種の香気成分は体内に取り込まれ、臓器に数時間蓄積しうるということがわかった。本研究では、臓器に蓄積する香気成分は生命活動にどのような影響を与えるのか、どのような構造の香気成分がどの臓器に蓄積しやすいのか、を明らかにし、香気成分と生命活動の知られざる関係を明らかにすることを目指す。
我々を取り巻く環境に無数に存在している香気成分を取り込んだ場合の体内動態や代謝・生理機能については不明な点が多い。これまでに、吸入したターメロンやβ-カリオフィレンがインタクトな形で体内臓器で検出されることを見出していた。今年度は、吸入したβ-カリオフィレン類の体内動態と経口投与したターメロン類の体内動態の比較を行い、両者で分布パターンが異なることを見出した(論文投稿中)。また、経口投与と吸入で生体に及ぼす影響が異なるかどうかを明らかにするために、血管を指標とした解析を行った。この結果、必ずしも同じような結果になるとは限らない可能性があることを見出した。現時点では、予備検討の段階であり、今後の詳細な解析を必要とするが、体内の存在形態の違いによる生理活性の差異が生じる可能性があると考えている。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
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