研究課題/領域番号 |
21K19095
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
財満 信宏 近畿大学, 農学部, 教授 (40455572)
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研究分担者 |
井上 菜穂子 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (00509515)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 香気成分 / βカリオフィレン / ターメロン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「香気成分は、匂いとして知覚された後、どこに行くのか?」という疑問から始まった。これまでの研究の結果、ある種の香気成分は体内に取り込まれ、臓器に数時間蓄積しうるということがわかった。本研究では、臓器に蓄積する香気成分は生命活動にどのような影響を与えるのか、どのような構造の香気成分がどの臓器に蓄積しやすいのか、を明らかにし、香気成分と生命活動の知られざる関係を明らかにすることを目指す。
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研究実績の概要 |
我々は無数の香気成分に囲まれて生活している。ある種の香気成分は、微量でも嗅覚受容体などを介して生理機能を発揮することはよく知られているが、嗅覚通過後の香気成分の体内動態や代謝・生理機能については不明な点が多い。昨年度までに、吸入したターメロンがインタクトな形で体内臓器で検出されることを見出していた。今年度は、吸入したターメロン類の体内動態と経口投与したターメロン類の体内動態の比較を行い、両者で分布パターンが異なることを見出した(Sci. Rep. 2022)。さらに、ターメロンを吸入させた群では、高脂肪食誘導性の体重増加が抑制されることを見出した。体重増加が抑制された群では、白色脂肪組織の重量増加が抑制され、脂肪細胞の肥大化も抑制されていたが、脂肪組織内の脂質蓄積関連タンパク質およびメッセンジャーRNAには顕著な変動は観察されなかった。これらの発見は、香りと生命活動の間の未知なる関係が存在することを示すものであり、基礎的な知見の集積が必要であることを示すものであり、引き続き研究を続ける。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究で見いだされた成果が論文に受理されており、おおむね順調に進展していると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
吸入と経口で体内分布のパターンに差がある結果は興味深く、他の香気成分でも同様の結果となるかどうかの比較解析を行う。比較解析のデータをもとに、吸入と経口で体内分布パターンに差が生じる機序を明らかにする研究を進めたい。
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