研究課題/領域番号 |
21K19104
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
安達 俊輔 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (30717103)
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研究分担者 |
田中 佑 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 准教授 (50634474)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 光合成誘導 / イネ / GWAS / カルボキシル化速度 / 電子伝達速度 / 気孔伝導度 / 愛国もち / 気孔コンダクタンス / 品種パネル |
研究開始時の研究の概要 |
急激な太陽光強度の上昇に対して植物の光合成速度の変化は緩やかであり、光合成速度の上昇 (光合成誘導) にかかる時間が長いほど太陽エネルギーを損失する。したがって光合成誘導時間をいかに短縮するかが作物生産量増加の鍵である。本研究は、光合成誘導の研究分野では世界的に類を見ない規模で、166のイネ大規模品種群を利用して光合成誘導の品種間差とその生理学的要因を明らかにする 。さらにゲノムワイド関連解析によって原因となるゲノム領域を推定するとともに、突然変異体を用いた詳細解析によって遺伝子機能に迫ることを目的とする。
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研究実績の概要 |
光強度の急激な変化に対して葉の光合成速度の応答は緩慢であり、強光照射後の光合成速度の上昇(光合成誘導)の遅れによる太陽エネルギー損失は約20%に及ぶ。すなわち、作物の光合成誘導の迅速化はその多収化に結びつく可能性がある。本研究では、日本の温帯ジャポニカイネ品種の光合成誘導の多様性を評価するとともに、その生理要因ならびに遺伝要因を明らかにすることを目的とした。まず、166品種のジャポニカイネを用いて光照射後10 分間の葉面積あたりCO2獲得量(CCF10)を比較したところ、最大5倍の品種間差異があること、そして在来品種である愛国もちが突出して高いCCF10を示すことを見出した。愛国もちのCCF10が大きい理由を日本晴や農林10号と比較して解析したところ、強光照射後約3分間の最大カルボキシル化速度および最大電子伝達速度が高いこと、そしてその後の時間帯において気孔伝導度が大きいことが関与することが示された。また定常光および変動光環境を模した人工気象器内の実験において、愛国もちの変動光環境下のバイオマス生産量(対定常光比)が上記2品種に比較して有意に高いことが示された。得られた166品種の光合成パラメータとゲノム情報を用いたゲノムワイド関連解析の結果、強光照射後5分間の光合成積算値に関わるゲノム領域を第5染色体上に、5分から10分間の光合成積算値に関わるゲノム領域を第3染色体にそれぞれ見出した。本研究プロジェクトの主要な成果は、愛国もちが光合成誘導を遺伝的に高めるための有用な遺伝資源であること、ならびに日本のイネの光合成誘導の多様性に影響するゲノム領域を見出したことである。原因遺伝子を解明することにより、植物の光合成誘導の制御メカニズムを解明できると期待される。筆者らは今後、遺伝的解析と生化学的解析の両面から、光合成誘導の差異に及ぼす要因を明らかにする予定である。
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