研究課題/領域番号 |
21K19112
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高野 義孝 京都大学, 農学研究科, 教授 (80293918)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | PAMP誘導免疫 / 生物発光リアルタイム測定技術 / ルシフェラーゼ / シロイヌナズナ / MutMap / MutMap法 |
研究開始時の研究の概要 |
高等植物は、病原菌特有の分子パターンPAMPsを認識することにより、病原菌を感知し免疫反応を活性化する。代表者のグループは、PAMPによって活性化する免疫反応は、認識されるPAMPによって大きく異なることを見出されているが、その分子基盤は不明である。本研究においては、遺伝子発現を生物発光として生きたままの細胞で連続的に自動測定することを可能にする「生物発光リアルタイム測定技術」を駆使することにより、PAMP誘導型植物免疫研究の未踏領域に踏み込み、そこから、植物免疫研究の新たな潮流を創出することを目的とする。
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研究成果の概要 |
PAMPsによって誘導される植物の免疫反応は共通性が高いと捉えられてきたが、近年の研究により、そこには明確な多様性があることが見出されている。本研究では、この謎に迫るため、nlp24によって活性化されるPAMP誘導免疫反応に欠損をしめすシロイヌナズナ変異体を生物発光リアルタイム測定法を用いてスクリーニングし、多数の変異体の単離に成功するとともに、一変異体についてはその原因遺伝子を同定した。また、BAK1に変異をもつ変異体にPAMPを処理し活性化する免疫応答を同測定法を用いて調査した結果、PAMP誘導免疫の間で違いが生じる分子メカニズムの一因に共受容体が関与していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の研究により、PAMPsによって誘導される植物免疫反応には多様性があることが見出されていたが、その分子的背景はほとんど不明であった。この謎に迫ることを目的とする本研究の大きな特徴は、生物発光リアルタイム測定法を駆使する点である。まず、同法を用いる高効率スクリーニングにより、PAMP誘導免疫に関する多数のシロイヌナズナ変異体の分離に成功した点は、PAMP誘導免疫の多様性の分子基盤解明に向けて大きな前進である。また、本研究はPAMP誘導免疫間で違いが生じる分子機構の一因に共受容体BAK1が関与していることを示唆したが、この知見はBAK1の機能とPAMP誘導免疫の多様性を繋げる重要な発見である。
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