研究課題/領域番号 |
21K19122
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
石橋 勇志 九州大学, 農学研究院, 准教授 (50611571)
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研究分担者 |
松山 清 福岡工業大学, 工学部, 教授 (40299540)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | Drug Delivery System / 浸透性 / 葉面散布 / Drug delivery system |
研究開始時の研究の概要 |
医療分野では、Drug Delivery System (DDS)による製剤開発が約40年前から始まり、ナノテクノロジーによる粒径などの制御に加え、タンパク質、ペプチド、核酸などの薬物の安定性や膜透過性等も考慮した様々な種類のDDS製剤が開発されている。このDDSとは、体内の薬物分布を量的・空間的・時間的に制御し、コントロールする薬物伝達システムのことであり、つまり薬の「いつ・どこで・どれくらい」を制御する技術である。本研究課題は、時空間的生理機構の理論により特定された有用因子について、「いつ・どこで・どれくらい」を調節できる植物版DDSを作成し、植物に直接導入後成長解析を実施する。
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研究成果の概要 |
本研究課題は、医学分野で先行しているDrug Delivery System(DDS)技術を植物へ応用することを目的とした。最終的な農学的応用を考慮し、様々なDDS技術からナノ粒子に着目した。植物の必須元素を用いてナノ化する方法として、有機溶媒等を使用しないクリーンな方法である超臨界技術を採用した。結果的に、分散性の高いナノ粒子の製造に成功し、葉面散布により植物体へ導入したところ、高い導入効率や植物内での局在性の相違も確認された。さらに、このナノ粒子を用いて、有効成分を付加し植物体へ導入したところ、より低濃度においてその有効性を確認することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、これまで農学分野で応用されてこなかったDrug Delivery System (DDS)技術を使用することで、既存の農薬・肥料の使用量削減につながると同時に、新たに作物生産に有用な物質を直接導入できる技術へと繋がると思われる。特に導入後の局在性が作物種ごとに異なることやナノ粒子によってその局在が変化することは大変興味深く、応用的な利用に加えて、導入後の細胞間の移動プロセスなども今後の研究課題となると考えれ、これまで議論されてこなかった人工的に導入された物質の輸送性など新たな分野の創出も期待される。
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