研究課題/領域番号 |
21K19135
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分40:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 牧 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (40396817)
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研究分担者 |
久本 洋子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (60586014)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 開花開始 / Flowering locus T / 生活史戦略 / 個体サイズ / 光条件 / 開花条件 / カエデ / 遺伝子発現解析 |
研究開始時の研究の概要 |
樹木は個体成長に伴い,個体サイズや光条件の変化に反応して本格的な開花フェーズに移行する。この過程に関与している分子機構を,開花開始条件の異なる2種のカエデ,イタヤカエデとオオモミジを材料として探索する。両樹種の花芽形成の開始時期に,サイズや光条件の異なる個体から樹冠上部の葉と芽を採取し,RNAを抽出して遺伝子発現解析を行う。まず次世代シークエンサーを用いて網羅的遺伝子発現解析を行い,開花関連遺伝子やその制御因子の候補を絞り込んだ上で,それらの遺伝子についてRT-qRNA法で,個体サイズや光条件による発現量の差を比較する。これにより,対象樹種の開花制御に関連している遺伝子群を特定する。
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研究成果の概要 |
イタヤカエデとオオモミジの様々なサイズや環境条件の多数個体を対象に,花成誘導に関わる遺伝子群の発現状況を網羅的遺伝子発現解析(RNA-seq法)で調べた.その結果,両樹種のFLOWERING LOCUS T (FT) 遺伝子を初めて同定した.また,FTの制御因子群に相同な複数の遺伝子について,FTの発現量と光環境や個体サイズに連動した発現量の変動を認めた.これらの遺伝子群が,対象樹種の生育段階依存的な花成開始に関わっている可能性がある.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高木種は生活史後期に開花を開始するが,その遺伝的機構は解明されていない.本研究では,この機構に関わる遺伝子を世界で初めて探索し,芽形成期に発現量が変動する遺伝子の情報から,開花の開始に関わっている可能性の高い遺伝子群を絞り込むことに成功した.これにより,対象樹種の開花開始に関わる遺伝機構の解明に向け,大きく前進した.また,今回同定した2樹種のFT遺伝子座の情報は,カエデ属の近縁種の花成研究に直接役立つため,園芸や林業への応用が期待できる.
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