研究課題/領域番号 |
21K19146
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分40:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京理科大学 (2022) 大阪大学 (2021) |
研究代表者 |
上谷 幸治郎 東京理科大学, 工学部工業化学科, 講師 (20733306)
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研究分担者 |
宇都 卓也 宮崎大学, 工学部, 准教授 (60749084)
古賀 大尚 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (30634539)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | ナノ繊維 / 光学位相差 / 構造解析 / 繊維幅 / 分子鎖束 / ナノファイバー |
研究開始時の研究の概要 |
天然資源由来の高分子ナノファイバーの一次構造は、精密な応用材料開発に対して重要度の高い基礎情報である。天然原料を解繊(微細化)処理して製造されるナノファイバーは、構造の不均質性(ばらつき)が大きく、一次構造とその分布を定量的に解析することが困難であった。本研究では、光学位相差の分布解析技術を手段として、光学位相差とナノファイバーの一次構造との関係性を詳細に解明し、より簡便で正確な構造解析技術の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、ミリメートルからマイクロスケールの木材パルプの解繊度を評価することに使用されるピクセル分解光学位相差分布計測技術をナノスケールに拡張し、高度に解繊されたセルロースナノファイバー(CNF)の構造分析に対する適用性を評価実証することを目的とした。様々なセルロース合成生物から太さや形態の異なるCNFを個別に抽出し、繊維幅や結晶子サイズなどの微視的構造を透過型電子顕微鏡とX線回折測定により定量評価した。CNF水懸濁液について光学位相差分布解析を行い、実測した繊維幅と対比させたところ、懸濁液の光学位相差は繊維幅だけでなく繊維の平均曲率を含めた複合パラメータに対して相関することが見出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
セルロースナノファイバー(CNF)の繊維幅や長さ、形態などの一次構造は、高分子で言う分子量やコンフォメーションに相当する最も基礎的な材料学的情報と言える。CNFの寸法は、製造方法に応じて広い分布やばらつきを持ち、高度に解繊されると高い形態異方性によって一次構造とその分布を定量することが技術的に困難であった。本研究の手法は、従来同時解析が困難であった繊維幅と繊維形態の複合パラメータを検出するため、新しいCNF構造を定義可能となり、より精密な材料開発と機能解明に有用であると考えられる。
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