研究課題/領域番号 |
21K19165
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分41:社会経済農学、農業工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
松川 真吾 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (30293096)
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研究分担者 |
鈴木 徹 東京海洋大学, 学内共同利用施設等, 特任教授 (50206504)
小林 りか 日本大学, 生物資源科学部, 助教 (50780326)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ナノ油滴 / ナノ油膜 / 氷点降下抑制 / 氷菓 / 氷結晶成長 / 界面剥離 / 氷点上昇 / ナノエマルジョン / 融点降下 / 氷点降下 / 氷結晶 |
研究開始時の研究の概要 |
氷菓の溶ける温度の上昇と貯蔵中の氷結晶の粗大化の抑制は、業界の長年の課題である。本研究課題はこの問題に、根本的な氷点降下のメカニズムの理解に基づき、ナノ油滴を利用 したナノ油膜形成という全く新しい概念によって解決を試みるものである。最近、糖溶液にナノサイズの油滴を添加すると氷点降下が抑制されることを見出しが 、そのメカニズムの詳細は不明である。特に、ナノ油膜の形 成過程を解明し、その上で、安定なナノ油膜を効果的に形成する方法を開発する必要がある。本課題研究が目指す革新的技術の社会的なインパクトは世界規模であり、コスト削減 及びCO2放出削減に多大な貢献をもたらすものである。
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研究成果の概要 |
濃厚ショ糖にナノ油滴を添加して凍結させたところ、融解する温度がナノ油滴を添加しなかった場合に対して、2度程度上昇が目視で観察された。さらに、顕微鏡観察では氷結晶の粗大化が抑制されているのが分かった。これはナノ油滴が氷結晶を被覆してナノ油膜を形成し、氷結晶がショ糖溶液と接触して融点降下を起こすのを妨げているからであると考えられる。マイクロDSC測定による融解挙動の評価では、ナノ油滴添加試料においては融解のピークが高温側にシフトし、さらに、シャープなピークとなっていることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
氷菓の溶ける温度の上昇と貯蔵中の氷結晶の粗大化の抑制は、業界の長年の課題であり、さまざまな方法が検討されているが、これまでのところ、-25℃以下での保存以外に有効な手段はない。今回の検討で見出されたナノ油膜形成による氷点降下抑制効果は、これまでの限界を打開する革新的技術となりうるものであり、また、そのメカニズムの解明はナノ油膜の多様な応用利用へとつなげる可能性を持っている。
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