研究課題/領域番号 |
21K19166
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分41:社会経済農学、農業工学およびその関連分野
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
福島 崇志 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (00452227)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | レーザスペックル / 水ストレス / 植物生理 / 偏光 / コヒーレント / コヒーレント光 / スペックル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、植物生理・生育情報において現場要求度が最も高い植物体の水分状態を非破壊・非侵襲かつ広範な2次元画像により把握するため、レーザ光に代表されるコヒーレント光の散乱・反射特性を利用した計測原理の構築に挑戦する。 植物体では、生理活性に伴う水動態や乾燥による水ストレスなど水分状態により、表面の組織構造変化が顕在化する。本研究では、コヒーレント光が対象粗面に照射される際、表面粗さを反映する拡散成分が観察される点に焦点を当て、植物体の水分状態に伴う組織構造変化を捉える。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、植物生理・生育情報において現場要求度が最も高い植物体の水分状態を非破壊・非侵襲かつ広範な2次元画像により把握するため、レーザ光に代表されるコヒーレント光の散乱・反射特性を利用した計測原理の構築に挑戦する。植物体では、生理活性に伴う水動態や乾燥による水ストレスなど水分状態により、表面の組織構造変化が顕在化する。本研究では、コヒーレント光が対象粗面に照射される際、表面粗さを反映する拡散成分が観察される点に焦点を当て、植物体の水分状態に伴う組織構造変化を捉える。 これまでに、提案手法の基本的な計測条件ならびに解析方法の検討を行った。 光の特性として偏光を利用し、植物葉表面の反射光と表層内部で乱反射し再び表面から外に出る光について分類することで、ストレスに対する構造変化の把握が可能であると考えられる。水ストレスによる植物葉の表面構造の変化をより明確に検出するため、葉表面(境界面)で反射した偏光を選択的に検出することに取り組んだ。その結果、入射光・反射光ともにs偏光を利用することで、水ストレスによる表面構造の変化を反映する結果が得られた。 また、従来レーザスペックル法では、動画像の輝度変動に着目した解析が行われてきたが、本研究課題では、一枚のスペックル画像から対象の構造を把握するため、これに特化した解析方法を検討した。解析には画像のテクスチャ情報を解析する濃度共起行列を適応し、水ストレス下の植物葉を対象に、そのストレス程度を評価できることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題では、提案手法の基本的な条件として、(1)入射角・反射角の特性、(2)光質(偏光や波長)の影響、(3)ストレスとの関係を明らかにすることを主に計画している。これまでに主に(1)、(2)に取り組んできたが、本年度はサンプル育成用チャンバーの不具合もあり、予定していた実験を実施できておらず、依然として偏光を最大限に利用するための計測条件が詰められていない。ただし、1枚のスペックル画像を解析する手法として、本年度に実施した方法では、良好な結果が得られており、次年度(1)、(2)の条件設定が整えば、(3)へスムーズに移行でき、成果が得られるものと考える。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに、入射・反射角による結果の違いや偏光の利用について実験を重ねてきた。加えて、それらの評価に適する解析手法を提案している。次年度は、植物葉を対象としたレーザスペックルにおいて、s、p偏光のそれぞれの特性を明確にし、加えてレーザ波長についてもストレス下における計測結果の違いを明確にし、計測条件を決定する。さらに植物体の経時的な解析に適応し、既存の植物生理情報との比較から本解析の適用範囲や有効性を示す予定である。
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