研究課題/領域番号 |
21K19183
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉浦 幸二 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (20595623)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | エクソソーム / 卵巣 |
研究開始時の研究の概要 |
卵巣は、女性ホルモン生産や卵母細胞の生産を担う重要な臓器である。これらの卵巣機能は、個体の運動、栄養状態、周囲の環境やストレスなどに影響を受けるが、具体的なメカニズムは不明である。本申請では、ブタをモデルとして、分泌小胞エクソソームが個体の運動情報を卵巣へ伝達する新たな卵巣機能制御メカニズムを検証する。具体的には、運動状態・定常状態を模倣した骨格筋初代培養上清よりエクソソームを単離し、そのキャラクタライズ、および卵巣細胞への添加培養の影響解析を行う。本研究の成果は、卵巣制御の新たなメカニズムを説明し、エクソソームを介した臓器間コミュニケーションという新たな学問分野の創造につながる。
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研究成果の概要 |
本研究では、マウスを用いた検討により、血中に存在するエクソソームが実際に卵巣に取り込まれる様子を観察することができた。また、その取り込み量はエクソソームの性状に依存して変化することが明らかとなった。また、ブタとマウスの卵巣細胞においてエクソソーム取り込みに関連する遺伝子発現には顕著な差がないことが分かった。さらに、今後、血中エクソソームの卵巣制御への影響を解析するためのモデルとして、体外マウス卵発達培養系において、従来用いられるウシ胎子血清に変えてマウス血清を用いる培養系を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ブタの卵巣の組織液(卵胞液)に卵巣以外の臓器由来のエクソソームが存在する可能性が、応募者らの研究により明らかとなっていた。しかし、本当に取り込まれるのか、また、取り込まれることの生理的意義については不明でった。本研究では、卵巣外エクソソームが実際に卵巣に取り込まれることを確認した。また細胞レベルでのエクソソーム取り込み機構が、ブタとマウスの卵巣細胞で共通している可能性を見出したことも意義が大きい。さらに、今回確立した培養系を用いることで、血清由来のエクソソームが卵巣の発達や機能制御に与える影響を解析できるようになり、今後さらなる研究の進展が期待される。
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