研究課題/領域番号 |
21K19187
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大蔵 聡 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (20263163)
|
研究分担者 |
松山 秀一 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (50455317)
森田 康広 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (90818262)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
|
キーワード | ゲノム編集 / キスペプチン / エレクトロポレーション / 受精卵 / GnRH / 排卵 / ヤギ / 卵胞嚢腫 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ヤギをウシのモデル動物として用い、ヤギ受精卵におけるゲノム編集技術により作出したゲノム編集ヤギを用いてキスペプチン遺伝子を視床下部内局所でノックアウトし、卵胞嚢腫の病態モデルを作出することに挑戦する。ウシの受胎率は年々低下しており、畜産現場において解決すべき喫緊の課題である。受胎率低下の要因のひとつである卵胞嚢腫は、多くの卵胞が排卵することなく卵巣に存在することから、排卵を調節する視床下部神経機構の機能不全が原因と想定される。本研究では、ゲノム編集ヤギを活用した卵胞嚢腫病態モデルにより、家畜の卵胞嚢腫発症の分子機構、ひいては排卵制御中枢のメカニズムを明らかにすることをめざす。
|
研究実績の概要 |
本研究では、ヤギ受精卵におけるゲノム編集により作出したゲノム編集ヤギを用いて、キスペプチン遺伝子を視床下部内局所でノックアウト(KO)する卵胞嚢腫病態モデルの作出に挑戦した。ウシの受胎率低下要因のひとつである卵胞嚢腫は、排卵を調節する視床下部神経機構の機能不全が原因と想定される。本研究では、ヤギをウシのモデル動物として用い、ゲノム編集により作出した卵胞嚢腫病態モデルにより、家畜の排卵制御中枢のメカニズムを解明することを目的とした。 本年度は、ヤギ1細胞期受精卵におけるゲノム編集技術(受精卵エレクトロポレーション法:GEEP法)により昨年度に作出に成功した、キスペプチン遺伝子座の5塩基欠損によるフレームシフト変異を片アレルに有するゲノム編集ヤギ(Kiss1ヘテロ変異体;雄1頭)を用いて、経時的な体重測定による成長特性評価と繁殖機能評価を行った。Kiss1ヘテロ変異体は野生型ヤギと同等の成長曲線を示した。また、野生型ヤギと変わらない時期に性成熟を迎え、妊孕性も有していた。次に、野生型雌ヤギとの交配により得た産子のジェノタイピングにより、雌個体(1頭)において、Kiss1ヘテロ変異体と同様に片アレルにおいてキスペプチン遺伝子座に5塩基の欠損があるフレームシフト変異が生じていることが明らかとなった。現在、得られた雌Kiss1ヘテロ変異体の性成熟を待ち、雌雄のヘテロ変異体の交配によりKiss1ホモ変異体(KO個体)の作出を計画している。 本研究では、研究期間全体を通じて、GEEP法によりキスペプチン遺伝子の全身性KOゲノム編集ヤギを作出するための技術の確立を行った。その結果、エレクトロポレーション条件の検討およびその最適化により、ヤギ1細胞期受精卵において高いゲノム編集率を得る手法を確立するとともに、得られたゲノム編集胚の移植により受胚ヤギからゲノム編集ヤギ個体を得ることができた。
|