研究課題/領域番号 |
21K19188
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
成瀬 智恵 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30372486)
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研究分担者 |
浅野 雅秀 京都大学, 医学研究科, 教授 (50251450)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | デグロン / マウス / プロテインノックダウン |
研究開始時の研究の概要 |
デグロンシステムは,細胞が本来持つタンパク質分解システムを利用して,人工的にデグロンタグを付加した標的タンパク質を,薬剤の添加により分解するプロテインノックダウン法である。動物個体での利用については,株化がん細胞にデグロンシステムを強制発現させてマウスに移植した例が報告されているが,個体の内在性タンパク質に応用した例は未だ発表がない。そこで,薬剤を腹腔内投与することによって,動物組織特異的に標的タンパク質を簡便にかつ迅速にノックダウンできるシステムを開発する。さらに,この方法を拡張して,組織・細胞特異的にデグロンシステムを機能させる方法を確立する。
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研究実績の概要 |
生体でのプロテインノックダウンは,2022年に我々のグループを含めたマウス生体への実装例3例が初めて報告され,現在も世界的に改良が進められており,将来的に広く使用される技術になると考えられる。しかしながら,現在のところ,特異性や効率に改良の余地がある。そこで,これらの問題点を克服する方法の開発を進めており,現在,サリドマイドアナログを用いた簡便なプロテインノックダウン法の開発を目指している。サリドマイドアナログは,タンパク質分解に関わるE3ユビキチンリガーゼの構成要素の1つであるCRBNへ結合し,本来基質とならない「ネオリガンド」の分解を誘導し,様々な薬理作用を示す。これまで,サリドマイド誘導体に反応するデグロンタグをEGFPに融合させた遺伝子発現ベクター,および,Creにより反転すると初めて機能的になるタグを組み込んだ遺伝子発現ベクターを細胞に導入して,タグの反転効率およびタンパク質ノックダウンの効果を評価してきた。デグロンタグをC末に組み込むと効率の良いノックダウンが可能となることが明らかになった。また,Creを作用させることによって,タグの反転は高効率で行われ,ノックダウンが起こることが明らかになった。これまでヒト細胞,または,CRBNをヒト化したマウス細胞を用いて実験を行ってきたが,マウス細胞においても機能するタグを開発したため,今後は,野生型マウスで機能するサリドマイドアナログを用いたノックダウン系を用いて研究を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
デグロンタグをC末に組み込むと効率の良いノックダウンが可能となることが明らかになった。また,Creを作用させることによって,タグの反転は高効率で行われ,ノックダウンが起こることが明らかになった。さらに,野生型マウスで機能する新規デグロンタグを開発した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究で明らかにすることができた事象を元に,マウス細胞および生体での組織および時期特異的プロテインノックダウンを可能にするベクターを作製し,マウスへ実装する。
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