研究課題/領域番号 |
21K19190
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
水野 拓也 山口大学, 共同獣医学部, 教授 (90398826)
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研究分担者 |
櫻井 優 山口大学, 共同獣医学部, 准教授 (00747967)
伊賀瀬 雅也 山口大学, 共同獣医学部, 助教 (70847110)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 犬 / 抗体薬 / がん / 抗体 / 腫瘍 / 抗体医薬 |
研究開始時の研究の概要 |
悪性腫瘍は高齢犬の最も多い死因である。罹患した犬には、外科手術、放射線治療、抗がん剤治療などが行われるが、新たなアプローチによる予後の改善が強く望まれている。本研究では、これまでに申請者が同定した犬の悪性腫瘍を幅広く認識するユニバーサルなモノクローナル抗体が、犬の悪性腫瘍の治療薬として使用できる可能性があるのかについて、抗体が反応する腫瘍の詳細な同定、抗体医薬のプロトタイプの作製、マウスおよび犬における効果検証を行う。
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研究成果の概要 |
本研究から抗体クローン4G1-E3が様々な犬の腫瘍に特異的に反応する抗体であることが明らかとなった。また4G1-E3をベースに犬IgG-Bの定常領域と組換えることでキメラ抗体として使用できる形にした。一方で、4G1-E3キメラ抗体自体は、in vitroにおけるアッセイにおいて、残念ながら細胞傷害を持たない抗体であることが判明した。しかし、4G1-E3抗体が認識する分子について、CRISPRライブラシーを用いた検索から、クローン4G1-E3はCD99分子を認識することが明らかとなった。またこの抗体はヒトのCD99分子も同時に認識することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究から得られた抗体クローン4G1-E3が様々な犬の腫瘍に特異的に反応する抗体であることが明らかとなったが、残念ながら、本抗体が直接細胞傷害を目的とした抗体薬として臨床的に使用することはできないことが判明した。しかし本抗体に薬物を結合させたADC抗体として用いることも可能であるし、また本抗体のscFVを使用して、CAR-T療法として、など、犬の幅広い腫瘍に反応する可能性がある治療法へ展開できるため、今後犬のがんの細胞傷害を目的とした治療法を開発するうえで非常に重要な知見となる。
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